2016.03.26 | ニュース

赤ちゃんに食べさせても大丈夫?卵、ピーナッツ、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦とアレルギーの関係

3か月の子どもに食べさせる研究
from The New England journal of medicine
赤ちゃんに食べさせても大丈夫?卵、ピーナッツ、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦とアレルギーの関係の写真
(C) chihirock - Fotolia.com

子どもの食物アレルギーでは、卵やピーナッツに対するアレルギー反応がよく起こります。アレルギー反応を起こしやすい食べ物は、食べさせないほうがいいのでしょうか。生後3か月から食べさせたときと、6か月まで食べさせなかったときを比較する研究が行われました。

◆アレルギーを防ぐには?

食物アレルギーは、特定の食品に対して免疫が過敏に反応することで起こります。卵やピーナッツなどはしばしばアレルギー反応を引き起こすことが知られていますが、もともとアレルギーのない子どもが食べても反応はありません。もともとアレルギーがなくても食べ続けることで新たにアレルギーが発生するのかどうかはわかっていません。

子どもでは食物アレルギーはよく起こります。一度症状を起こしたことのある食品は少量でも避けるべきですが、成長とともに免疫の反応が正常になり、アレルギー反応を起こさなくなることもよくあります。

同じアレルギーのしくみが関わっている花粉症では、花粉を避けるのではなく花粉の成分を体に与え続けることで免疫の反応を鈍くし、アレルギーの症状を起こりにくくする治療があります。

 

◆アレルギーを起こしやすい食品を3か月から食べるとどうなるか?

ここで紹介する研究は、生後3か月から6か月の子どもにアレルギーを起こしやすい食品を食べさせることで、その食品に対するアレルギーを防ぐ効果があるのではないかという仮説のもとに行われています。

食物アレルギーの反応を引き起こしやすい卵、ピーナッツ、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦を食べさせる効果が検討されました。

母乳だけで3か月までで育った子ども1,303人が対象となりました。対象者は、3か月からこれらの食品を食べるよう家族に指導されるグループと、6か月までこれらの食品を避けるよう指導されるグループに分けられました。

対象となった子どもが1歳から3歳の間で、両方のグループにアレルギーの検査が行われ、アレルギーの頻度に違いがあるかを調べられました。

 

◆予防効果は見られなかったが…

次の結果が得られました。

ITT解析において、6種の介入食品のうち1種以上に対する食物アレルギーは、標準的摂食開始群の参加者の7.1%(595人中42人)、早期摂食開始群の5.6%(567人中32人)に起こった(P=0.32)。

1歳から3歳の間で、6種類の食品のどれか1種類以上にアレルギーがあった子どもは特定の食品を避けるグループで595人中42人、早くから食べるグループで567人中32人でした。頻度に統計的な違いは見られませんでした

アレルギーを予防するという当初の目的から、研究班は「この試験はITT解析においては、アレルギーを引き起こす食品を早く開始することの効果を示さなかった」と結論しています。

 

アレルギーの予防になるとは言えないという結論でしたが、違いがないという結果は、3か月からこれらの食品を食べさせても新たにアレルギーを引き起こさなかった、とも受け取れるのではないでしょうか。

ここで対象となった子どもたちは、「595人中42人」と「567人中32人」のどちらに入っていたとしても、9割以上は6種類の食品すべてをアレルギーなく食べられていました。アレルギーがあるとわかっている場合には原因の食品を避けるべきとしても、症状を起こしていない食品に注意が必要かを考えるうえでは、この結果を参考にできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Randomized Trial of Introduction of Allergenic Foods in Breast-Fed Infants.

N Engl J Med. 2016 Mar 4. [Epub ahead of print]

[PMID: 26943128]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。