関節の痛み・腫れをセルフチェック、関節リウマチの状態を正しく判定できるか?

関節リウマチの治療は長期間に及びやすく、関節の痛みなどの症状の増減を繰り返しチェックする必要があります。病院に通い続けることは生活の負担になります。京都大学などの研究班が、患者が自分で症状などを記録して評価する方法を試みました。
◆スマホアプリで関節リウマチの状態を評価できるか
関節リウマチの状態は、病気による症状などの変化が現在どの程度激しく現れているか(疾患活動性)で評価されます。痛みや腫れの症状がある関節の数と、血液検査で炎症反応を反映するCRPの値がよく使われます。
しかし、CRPは関節リウマチ以外にも感染症などさまざまな原因で変動することに加え、長期間繰り返し血液検査を受けることは生活の負担になります。
この研究では、関節リウマチの診断用の質問票を使い、患者が自分の症状と生活上の困難を記録し続けることで、疾患活動性を適切に評価できるかが検討されました。
参加した9人の患者が、スマートフォンのアプリを使って3か月間、質問に繰り返し回答し、同時に1か月ごとにCRPの検査を含む診察を受けました。
◆自己評価と診察の結果が一致
次の結果が得られました。
アプリケーションによって計測された疾患活動性は、3か月の期間中、臨床診察によって評価された患者の実際の疾患活動性とよく相関した。
アプリを使った自己評価は、診察の結果と傾向が一致しました。
研究班は「この実現可能性の試験の結果は、[...]患者と医療提供者の両方にとって、受け入れやすい、便利なツールでありうることを示した」と結論しています。
執筆者
Self-assessment of Rheumatoid Arthritis Disease Activity Using a Smartphone Application. Development and 3-month Feasibility Study.
Methods Inf Med. 2016 Jan 8.
[PMID: 26391694]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。