日本酒の成分がトレーニング後の尿酸値を下げる!?
運動に加えてタンパク質を補充することについて多くの研究があります。日本酒から抽出したタンパク質には、市販のプロテインにも使われる分岐鎖アミノ酸が多く含まれています。台湾で、このタンパク質が運動後に与える影響の研究が行われました。
◆マウスに日本酒タンパク質+運動
研究班は、実験用マウスを8体ずつ3組に分けて、4週間の実験を行いました。3組はそれぞれ運動をさせないグループ、筋力トレーニングをさせるグループ、日本酒のタンパク質を与えたうえで筋力トレーニングをさせるグループとしました。
◆尿酸などが減少
4週間の筋力トレーニングによって運動能力が上がったことに加え、次の結果が得られました。
PET+SP補充は、15分の水泳運動後の血清乳酸、アンモニア、クレアチンキナーゼの濃度を
有意 に減少させた。AST、ALT、クレアチニン、尿酸の安静時血清濃度はすべてPET+SP群で有意に減少した。
日本酒のタンパク質を与えたグループでは、水泳運動をさせたあと、乳酸、アンモニア、クレアチンキナーゼの検査値が低くなりました。また、運動をさせていないときの検査では、尿酸、クレアチニン、AST、ALTの検査値が低くなりました。
これらの検査値は、一般に運動後には筋肉の細胞が壊れることによって高くなります。日本酒のタンパク質は、運動による筋肉の変化に影響していたのかもしれません。
この実験の結果が人間にも当てはまるかどうかは不明です。また、この実験は日本酒からタンパク質を抽出して使っていますが、日本酒そのものを調べたわけではありません。日本酒を含めてアルコールは痛風の頻度を増やします。
ここで見られた結果は、運動を効果的にする栄養補充の研究に参照されることで、新しい発見に結びつくかもしれません。
執筆者
Sake Protein Supplementation Affects Exercise Performance and Biochemical Profiles in Power-Exercise-Trained Mice.
Nutrients. 2016 Feb 20.
[PMID: 26907336]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。