食事の見た目で再入院が減少
入院すると、食欲が落ちて十分に食事を食べられないことがあります。しかし、これでは必要な栄養素を十分に取れなくなってしまいます。研究班は、食事の見た目を良くして、食事の量が増えるかどうかを調査しました。
◆内科に入院している患者206人を対象
内科に新規に入院した患者206人を対象としました。そして、1つは、通常の病院食を摂るグループ、もう1つは、食事の内容を変えず、見た目だけを料理の専門家のアドバイスに従って良くした食事を摂るグループの2つのグループに分けました。食事後のトレイを撮影し、患者の残した食事量を推定しました。さらに、アンケートを使用して、入院中の食事摂取に関して感じていることを答えてもらいました。
◆見た目の良い食事の方が残す量が少ない
見た目の良い食事を摂った患者グループでは、通常の病院食を摂った患者に比べて、より多く食事を食べていました。
また、見た目の良い食事を摂った患者グループの方が、通常食のグループより食事がおいしかったと報告した人が多くなりました。
再入院率は、見た目の良い食事を摂ったグループの方が減少しました。
入院食はおいしくないというイメージがありますが、その一因には、食事の盛り付け方、つまり見た目に関連があるかもしれません。また、再入院が減ったのには、入院中に十分な栄養を摂ることができ、病気がより良くなった状態で退院できたからかもしれません。これからは、病院の入院食にも、栄養面だけでなく、見た目の要素も考慮されるといいと思われます。
執筆者
Improved meal presentation increases food intake and decreases readmission rate in hospitalized patients.
Clin Nutr. 2015 Oct 9
[PMID: 26627844]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。