2015.10.13 | ニュース

筋力トレーニングでは、セット間隔の休憩は何分が効果的?

ランダム化比較試験により検証
from European journal of applied physiology
筋力トレーニングでは、セット間隔の休憩は何分が効果的? の写真
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高齢者は運動で筋力を維持することが、転倒予防や日々の活動に役立つと言われています。今回の研究では、筋力トレーニングをより効果的に行うための方法として、休憩時間の取り方を検証しました。

◆筋力トレーニングのセット間隔を60秒と4分の2群にランダムに振り分け

今回の研究では、筋力トレーニングの休憩方法が異なる2つの方法を比較しました。

対象者のうちひとつの群では、セット間の休憩時間を60秒に、もうひとつの群では休憩時間を4分にし、22人のボランティア(平均年齢は休憩60秒の群で65.6歳、休憩4分の群で70.3歳)がこれらの筋力トレーニングを実施しました。計12週間のトレー二ング期間中、前半の4週間でピリオダイゼーショントレーニング(期間によって運動プログラムを変更するトレーニング方法)を行い、後半の8週間で、ピリオダイゼーショントレー二ングに加えて、ランダムに振り分けたトレーニングを行いました。

 

◆休憩時間が60秒の方がより効果的

以下の結果が得られました。

8週間の筋力トレーニング期間を経て、SS群はSL群と比較して、除脂肪体重(p=0.001)、フラットマシンベンチプレスの1RM(p<0.001)、両側レッグプレスの1RM(p<0.001)、狭い/中間のグリップラットプルダウン(p<0.01)、Margaria階段昇段力(p<0.001)が有意により増加した。

休憩時間を60秒で筋力トレー二ングを行った方が、除脂肪体重や上肢・下肢の筋力が増加したという結果でした。

 

高齢者になるとバランス能力や筋力の低下により、転びやすくなったり、日常生活がうまく送れないといったことが起こりえます。そのような状態を予防するためにも、より効果的な運動方法が確立されることが期待されますが、今回の研究のように休憩時間を工夫することもその中に組み込まれていくかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Short rest interval lengths between sets optimally enhance body composition and performance with 8 weeks of strength resistance training in older men.

Eur J Appl Physiol. 2015 Feb

[PMID: 25294666]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。