2015.12.17 | ニュース

野菜を食べると前立腺がんになりにくい

男性26,346人の食事パターンから
from The American journal of clinical nutrition
野菜を食べると前立腺がんになりにくいの写真
(C) Minerva Studio - Fotolia.com

前立腺がんは、男性がなりうる全てのがんの中でも多くを占めています。野菜などの食べ物とがんとの関係性についていくつか報告がありますが、まだ明らかとなっていなかった前立腺がんとの関係について報告されました。

◆男性26,346人の食事パターンを調査

研究チームは、アメリカとカナダにおける健康調査から26,346人の男性を調査対象としました。対象者の食事パターンは以下の5パターンに分類し、前立腺がんになるリスクを調査しました。

1. ノンベジタリアン:何の制限もなく食事をする
2. ラクト・オボ・ベジタリアン:乳製品と卵、野菜を食べる
3. ペスコ・ベジタリアン:野菜や魚肉を食べる
4. ビーガン:野菜のみを食べる(乳製品や卵も食べない)
5. セミ・ベジタリアン:一般的な量より少ない肉を食べる

 

◆ビーガンは前立腺がんになりにくかった

調査の結果、以下のことが分かりました。

ビーガン食は、前立腺がんと統計学的に有意な保護的な関係にあることが示された(ハザード比:0.65、95%信頼区間:0.49-0.85)。

つまり、野菜のみを食べるビーガンの人は前立腺がんになりにくい可能性が示されました。

 

この研究では、ビーガンがほかにも前立腺がんになりにくい生活習慣を送っている可能性も否定出来ません。野菜だけでなく、肉や乳製品にも健康につながる栄養素は含まれているため、バランスの良い食事をとることは重要ですが、野菜を食べることは健康の1つの指標になるのかもしれません。

執筆者

鈴木あいか

参考文献

Are strict vegetarians protected against prostate cancer?

Am J Clin Nutr. 2015 Nov 11 [Epub ahead of print]

[PMID: 26561618]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。