腰痛にはどんな装具をつけると良いか?
腰痛に対して、腰と骨盤にかけて装具を用いることがあります。装具の種類は様々です。今回の研究では、腰が反りやすい装具と反りにくい装具を比較して、腰痛への効果を検証しました。
◆腰が反りやすい装具、反りにくい装具、対照群の3群にランダムに振り分け
今回の研究では、腰痛患者98人を以下の3群にランダムに分け、2週間の治療期間前後で、痛みによる活動制限への影響について検証しました。
- 通常のケアを受ける群
- 腰が反る方向に制限されている装具をつけて通常のケアを受ける群
- 腰が反る方向に制限されていない装具をつけて通常のケアを受ける群
◆腰が反りにくい装具をつけるとより改善
以下の結果が得られました。
通常のケアのみを行うのと比較して、腰の伸展制限装具をつけた群では、ODIスコアがより大きく改善したが(p=0.01)、腰の非伸展制限装具をつけた群ではより大きな改善はなかった。
腰の伸展制限装具をつけた人は、通常のケアを受けた人よりもODIスコアについて50%以上の改善するオッズが4.7倍高かった(95%信頼区間1.2-18.5、p=0.03)。
腰が反りにくい装具をつけてリハビリを行うと、腰痛によって制限された活動の改善が見られるという結果でした。
今回は、腰を反りにくくする装具を装着すると、腰痛により制限されていた活動が改善するという結果でした。
腰痛には、前にかがむと痛みが現れるもの、腰を反ると痛みが現れるものなど、いくつかのタイプがあります。また、痛みが現れてからどのくらい時間が経っているか、常に痛いかといった、時期によっても治療方法が異なるかもしれません。そのため、今回の結果が、そのまますべての患者さんに当てはまるわけではないということに、留意してください。
それでも、人によっては、腰が反りにくい装具を使うことで改善が得られるかもしれません。
執筆者
A randomized clinical trial comparing extensible and inextensible lumbosacral orthoses and standard care alone in the management of lower back pain.
Spine (Phila Pa 1976). 2014 Oct 1
[PMID: 25054648]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。