2015.09.03 | ニュース

腰痛症にステロイド注入、わずかながらも効果あり

メタ分析により検証

from Annals of internal medicine

腰痛症にステロイド注入、わずかながらも効果ありの写真

腰痛症は、さまざまな原因により、腰が急に痛くなるまたは、慢性的に痛くなる病気です。今回、研究グループは、腰痛症に対する治療の一つであるステロイド注射の効果を調べるために過去の文献を分析しました。

◆腰痛症に対する文献をメタ分析

研究グループは、腰痛症をもつ成人に対して、痛みを抑える狙いで行われるステロイド注射の効果と安全性を調べることを目的に、過去の研究を分析し、その効果を調べました。

 

◆ステロイド注射、わずかながらも効果あり

分析の結果、以下のことが報告されました。

神経根障害に対して、コルチコステロイド硬膜外注射は、短期間の痛み(0-100の重み付け平均の差、-7.55[95%信頼区間、−11.4から−3.74]エビデンスの強さ中等度)、機能(外れ値除外後の標準化平均の差、−0.33 [信頼区間−0.56から−0.09]、エビデンスの強さは低い)、短期間の手術リスク(相対リスク、0.62 [信頼区間、0.41 -0.92]、エビデンスの強さは低い)のより大きな改善と関連した。

この結果は、ステロイド注射が痛み、運動機能、手術リスクの軽減に寄与する可能性を示しています。

研究グループは、「神経根障害に対する硬膜外コルチコステロイド注射は、短期的な痛みや機能と関連した。しかし、効果はわずかであり、持続せず、長期的な手術リスクへの影響はなかった。[…]」と述べています。

 

本研究では、ステロイド注射が辛い腰痛を短期間でも和らげることのできる治療として位置付けられました。今後は、より長期的な効果をもたらす治療法の研究にも期待したいところです。

執筆者

NK

参考文献

Epidural Corticosteroid Injections for Radiculopathy and Spinal Stenosis: A Systematic Review and Meta-analysis.

Ann Intern Med. 2015 Sep 1

[PMID: 26302454]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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