2016.11.09 | ニュース

肛門が痛い!「陰部神経絞扼」の治療にステロイドは不要?

201人の試験から
from BJOG : an international journal of obstetrics and gynaecology
肛門が痛い!「陰部神経絞扼」の治療にステロイドは不要?の写真
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陰部神経絞扼は、神経が圧迫されることにより、肛門の痛みなどが起きている状態です。治療法のひとつが陰部神経ブロックです。陰部神経ブロックのためにステロイド薬を使うことの効果が検討されました。

フランスの研究班が、陰部神経絞扼(こうやく)に対する治療法の研究を、産婦人科専門誌『BJOG』に報告しました。

この研究では、陰部神経絞扼に対して陰部神経ブロックを行うとき、治療のため使う薬による効果の違いを調べています。

神経ブロックとは、神経やその周りに局所麻酔薬などを注射することによって、痛みの信号が脳に伝わらないようにする治療です。

この研究では、陰部神経絞扼による神経痛がある患者201人が対象となりました。

対象者はランダムに3グループに分けられました。

  • A群:局所麻酔薬だけを注射する
  • B群:局所麻酔薬とステロイド薬を注射する
  • C群:局所麻酔薬とステロイド薬を生理食塩水で薄めて注射する

 

次の結果が得られました。

陰部神経ブロックから3か月後、局所麻酔薬のみの群(A群)の11.8%が治療に応答し、局所麻酔薬および副腎皮質ステロイドの群(B群およびC群)では14.3%が治療に応答した。この差は統計的に有意ではなかった(P=0.62)。

注射にステロイド薬を加えた場合と加えなかった場合とで、3か月後の効果に統計的な違いが見られませんでした

この結果から、研究班は「副腎皮質ステロイドは局所麻酔薬に追加して治療的効果を現すことがなく、したがってもはや使われるべきではない」と結論しています。

 

ステロイド薬は一般に、炎症や痛みを抑える強い効果があります。しかし、使う場面によっては効き目が出にくいこともあります。

陰部神経ブロックの注射にステロイド薬を加えても効果に違いがないという結果が示されました。この研究は3グループ合計で201人という規模のものですが、もっと多くの対象者を集めれば、より細かい違いを統計的に検出できる可能性もあります。とはいえ200人規模なら見分けられない程度の効果に限られるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Adding corticosteroids to the pudendal nerve block for pudendal neuralgia: a randomised, double-blind, controlled trial.

BJOG. 2016 Jul 27. [Epub ahead of print]

[PMID: 27465823]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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