2015.10.27 | ニュース

心臓マッサージによる救助が心停止に陥った人の社会復帰を助ける

日本の研究チームが816,385人を分析
from Circulation
心臓マッサージによる救助が心停止に陥った人の社会復帰を助ける の写真
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院外での心停止に対して、心肺蘇生の重要性が高まっています。今回の研究では、2005年から2012年にかけて、居合わせた人による心肺蘇生を受けた人の増加と全国で院外心停止後に社会復帰した人の増加を分析しました。

◆心肺蘇生が心停止後の社会復帰と関連しているか検証

今回の研究では、日本全国において2005年から2012年までに、病院外で心停止後に救急隊の治療を受けた816,385人の総務省消防庁データを分析しました。

救急隊の到着前に、居合わせた人により胸骨圧迫(心臓マッサージ)のみの心肺蘇生、または人工呼吸と胸骨圧迫による心肺蘇生を受けた人の生存者数の年ごとの変化を調査し、心停止1ヶ月後の社会復帰との関連を検証しました。

 

◆心肺蘇生で心停止後の社会復帰が増大

以下の結果が得られました。

院外心停止の患者で、市民によりCCCPRまたはCPR全体(CCCPRか通常のCPR)を受けた人の割合は、それぞれ17.4%から39.3%(Ptrend<0.001)、34.6%から47.3%(ptrend<0.001)に増加した。

神経学的帰結が好ましかった生存率は、胸骨圧迫のみの心肺蘇生で1000万人あたり0.6人から28.3人に有意に増え(ptrend=0.010)、救急隊到着前の市民による心肺蘇生全体では1000万人あたり9.0人から43.6人に増えていた(ptrend=0.003)。

院外で心臓が停止した人で、居合わせた人により心肺蘇生を受けた人は増加し、胸骨圧迫のみの心肺蘇生を受けた人でも、人工呼吸と胸骨圧迫による心肺蘇生を受けた人でも、心停止1ヶ月後に社会復帰した数が増加していました

 

院外で心停止となった人には、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生が基本ですが、胸骨圧迫のみでもその後の社会復帰に寄与します。どちらの方法でも、近くにいた人が素早く対処することの意義が改めて示されているのかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Dissemination of Chest Compression-Only Cardiopulmonary Resuscitation and Survival After Out-of-Hospital Cardiac Arrest.

Circulation. 2015 Aug 4

[PMID: 26048093]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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