2015.10.26 | ニュース

鏡を見ると脳卒中の症状が改善する?ミラーセラピーの効果とは

ランダム化比較試験により検証
from Neurology
鏡を見ると脳卒中の症状が改善する?ミラーセラピーの効果とは の写真
(C) Köpenicker - Fotolia.com

脳卒中の症状のひとつに、片側に意識が向かなくなる半側空間無視という症状があります。今回の研究は、鏡の前に置いた良い方の手を動かし、鏡ごしに見ることで無視側の手が動いているように見えるという錯覚を利用した治療効果を検証しました。

◆鏡を見る群と鏡を見ない群にランダムに振り分け

脳卒中の症状のひとつに、片側に意識が向かなくなる半側空間無視というものがあります。これは、例えば座っていて左から話しかけられても、「左」という認識がないために、どこから話しかけられているかわからず、右を向いてしまったりする症状です。

そのような症状に対し、ミラーセラピーという治療法があります。無視している手を鏡を取り付けた箱の中に入れ、鏡の前に置いた良い方の手を動かしながら、鏡ごしにその動いている手を見ると、普段は無視してしまっている手が動いているように見えます。ミラーセラピーは、このように無視している手が動いているような錯覚を脳に与えることで、無視している側の身体を認識させる効果を期待した治療法です。

今回の研究では、脳卒中後に半側空間無視になった患者48人を、ミラーセラピーを行う群と対照群にランダムに分け、半側空間無視への効果を検証しました。

 

◆1日1から2時間、週5日、4週間のミラーセラピーで効果あり

以下の結果が得られました。

6ヶ月に渡り、星印抹消試験のスコアの改善は、ミラーセラピー群でより大きかった(差の平均23、95%信頼区間19-28、p<0.0001)。

脳卒中後の半側空間無視に対して、ミラーセラピーを行うと、よりその症状が改善するという結果でした。

 

以前に紹介した研究では、ミラーセラピーにより運動機能や日常生活の能力が改善するという結果を報告していました。臨床でミラーセラピーを用いている施設も多いかもしれません。今回の研究と併せて、治療場面で用いられる機会が増えることが期待されます。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Mirror therapy in unilateral neglect after stroke (MUST trial): a randomized controlled trial.

Neurology. 2014 Sep 9

[PMID: 25107877]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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