脳卒中後の複合性局所疼痛に対するミラーセラピーの効果は
脳卒中後の後遺症に複合性局所疼痛(CRPS)という痛みを起こすものがあります。今回はミラーセラピー(鏡越しに麻痺していない手の動きを観察し、麻痺した手が動いていると錯覚させる方法)の効果を検証しています。
◆複合性局所疼痛に対するミラーセラピーの効果
脳卒中後、上肢に
◆痛みの程度と麻痺、上肢の動きが改善
以下の結果が得られました。
4週間のリハビリテーション後、両方のグループでベースラインと比較してVASスコアとFMA運動スコアが
有意 に改善した。しかし、コントロールグループよりもミラーセラピーグループはさらに値が改善した(FMA運動スコアでP<0.001、VASスコアでP=0.03)。さらに、ミラーセラピーを受けた群ではBrunnstrom回復スコアとFMAスコアが有意に改善した(P<0.05)。
ミラーセラピーを行ったグループは従来のリハビリテーションのみを行ったグループと比較すると、痛みの程度と
脳卒中後の後遺症であるCRPSに対するリハビリテーションの効果はまだまだ不明な点が多くあります。現在その効果を検証すべく多くの研究が行われてきています。今後もさらなる効果の検証が期待されます。
執筆者
Effects of Mirror Therapy in Stroke Patients With Complex Regional Pain Syndrome Type 1: A Randomized Controlled Study.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Dec.
[PMID: 26723854]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。