◆62人の乳がん患者により検証
研究グループは、有酸素運動が乳がん患者の生活の質(QOL)と身体機能に与える影響を調べるために、62人の乳がん患者を対象とした研究を行いました。
対象者を運動群(30人)と対照群(32人)にランダムに分けました。運動群は、10週にわたり25-40分の有酸素運動を行い、対照群は運動トレーニングは行いませんでした。
評価はトレーニングの前後で行い、乳がん患者の主観的健康感(FACT-B)などを測定しました。
◆有酸素トレーニングは乳がん患者のQOL向上に有効
結果を以下に示します。
運動群では対照群と比べ、FACT-B(13.4点、P<0.003)、FACT-G(9.16点、P<0.008)、機能的幸福感サブスケール(P<0.010)、精神的安定サブスケール(P<0.035)において統計学的に有意な改善を認めた。
この結果は、運動が乳がん患者の生活の質(QOL)を改善したことを示しています。また、身体機能の改善が見られました。
乳がんそのものの治療は様々開発されていますが、手術のあとのQOLに対するアプローチという視点も今後いっそう重要となるかもしれません。
執筆者
The effect of aerobic exercise on quality of life among breast cancer survivors: a randomized controlled trial.
J Cancer Res Ther. 2014 Jul-Sep.
[PMID: 25313756]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。