2015.10.20 | ニュース

乳がん患者のQOL向上に有酸素トレーニングが有効

ランダム化比較試験により検証

from Journal of cancer research and therapeutics

乳がん患者のQOL向上に有酸素トレーニングが有効の写真

乳がんの手術のあと、腕が動かしにくくなるなどの影響が現れやすく、生活の妨げになることがあります。研究グループは、有酸素運動が乳がん患者の生活の質(QOL)と身体機能に与える影響を調べました。

◆62人の乳がん患者により検証

研究グループは、有酸素運動が乳がん患者の生活の質(QOL)と身体機能に与える影響を調べるために、62人の乳がん患者を対象とした研究を行いました。

対象者を運動群(30人)と対照群(32人)にランダムに分けました。運動群は、10週にわたり25-40分の有酸素運動を行い、対照群は運動トレーニングは行いませんでした。

評価はトレーニングの前後で行い、乳がん患者の主観的健康感(FACT-B)などを測定しました。

 

◆有酸素トレーニングは乳がん患者のQOL向上に有効

結果を以下に示します。

運動群では対照群と比べ、FACT-B(13.4点、P<0.003)、FACT-G(9.16点、P<0.008)、機能的幸福感サブスケール(P<0.010)、精神的安定サブスケール(P<0.035)において統計学的に有意な改善を認めた。

この結果は、運動が乳がん患者の生活の質(QOL)を改善したことを示しています。また、身体機能の改善が見られました。

 

乳がんそのものの治療は様々開発されていますが、手術のあとのQOLに対するアプローチという視点も今後いっそう重要となるかもしれません。

 

執筆者

NK

参考文献

The effect of aerobic exercise on quality of life among breast cancer survivors: a randomized controlled trial.

J Cancer Res Ther. 2014 Jul-Sep.

[PMID: 25313756]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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