起きる時間の1時間前から暖房を24℃にしておくと、血圧はどうなる?

高齢者は気温の変化により、血圧が高くなってしまう場合があります。今回の研究では、家の暖房温度を指導することで、血圧変化を防げるか検証しました。
◆部屋の暖房温度を指導する群と対照群にランダムに振り分け
平均年齢71.6歳の高齢者359人を、部屋の暖房に関する指導をする群と対照群にランダムに分けました。
指導をする群には、起床1時間前に24℃設定で暖房を入れ始め、起床2時間後までできるだけ長くリビングにいるように指導しました。
◆暖房温度の調整で血圧の上昇を防ぐ
以下の結果が得られました。
介入により、年齢、性別、抗高血圧薬治療、自宅年収、身体活動を含む交絡因子で調整すると、リビングの気温は2.09℃(95%信頼区間1.28-2.90)
有意 に上昇し、収縮期血圧 は4.43mmHg(95%信頼区間0.97-7.88mmHg)、拡張期血圧 は2.33mmHg(95%信頼区間0.08-4.58mmHg)有意に減少した。
暖房温度の調整を指導すると、リビングの温度は約2℃上昇し、血圧の上昇も抑えることができるという結果でした。
起床後の気温変化や、お風呂上がりの気温変化など、血圧が急に変化する場合があります。今回紹介した研究は、起床後の気温変化に関するものでしたが、日常生活で気温が急に変化する環境は他にもあります。これからの季節、寒暖の差が激しくなることもあるので、ご注意ください。
執筆者
Short-term effects of instruction in home heating on indoor temperature and blood pressure in elderly people: a randomized controlled trial.
J Hypertens. 2015 Sep 12
[PMID: 26372318]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。