不整脈をペースメーカーで治療、洞不全症候群に対する効果は?

不整脈の一種である洞不全症候群では、心拍数が少なくなり、疲労や失神などの症状が現れます。治療として使われるペースメーカーの効果について、これまでの研究結果がまとめられました。
◆洞不全症候群に対して心房心室ペーシングと心房単室ペーシングを比較
研究班は、過去の研究を集めて内容を検討しました。対象者は、洞不全症候群により心拍数が少なく、
◆心房心室ペースメーカーが有効
見つかった6件の研究から、次の結果が得られました。
心房心室ペーシングは心房単腔ペーシングに比べて再手術の統計的に
有意 な減少と関連した(オッズ比0.48、95%信頼区間0.36-0.63)。
発作 性心房細動のリスクもまた、心房単腔ペーシングに比べて心房心室ペーシングで減少した(オッズ比0.75、95%信頼区間0.59-0.96)。心不全のリスクは心房心室ペースメーカーを使うか心房単室ペースメーカーを使うかの決定に影響する可能性があった。年齢(75歳以下と76歳以上)および心不全のリスクに基づいた解析の結果、より高齢の患者では心房心室ペースメーカーが心房単室ペースメーカーよりも優位(費用が少なく効果が高い)であり、対してより若い患者では心房単室ペースメーカーが心房心室ペースメーカーよりも優位とされた。
心房心室ペースメーカーを使った場合のほうが、再手術、発作性心房細動の発生が少なくなりました。特に、76歳以上の患者に対して費用対効果が優れていると見られました。
研究班は「洞不全症候群があり房室伝導障害の
洞不全症候群は、それ自体が心停止を起こすような致命的な不整脈に移行することはまれですが、長期的には
執筆者
Dual-chamber pacemakers for treating symptomatic bradycardia due to sick sinus syndrome without atrioventricular block: a systematic review and economic evaluation.
Health Technol Assess. 2015 Aug
[PMID: 26293406]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。