◆血栓除去術と保存的治療のどちらが血栓性外痔核に有効か検証
血栓性外痔核は、肛門の近くにある静脈の中で血の塊(血栓)ができることにより、硬く膨れて見える状態です。
今回の研究では、血栓性外痔核の患者231名の過去のデータから、血栓除去術を行った人と保存的治療(手術以外の治療)を行った人を分類し、どちらの治療が、痛みや出血の頻度、再発までの期間などに有効か検証しました。
◆血栓除去術は再発までの期間を長くする
以下の結果が得られました。
再発までの平均期間は、保存療法群で7.1ヶ月、手術群で25ヶ月であった(p<0.0001)。
血栓性外痔核の再発までの期間に対する生存分析の結果、再発までの期間は手術群で有意に長かった(p<0.0001)。
血栓除去術を行った方が、再発までの期間が長くなりました。一方、痛みや出血に関する頻度は手術群で多いという結果でした。
筆者らは、「保存的に治療を受けた多くの患者が症状の解決を経験するが、血栓性外痔核の切除の結果、より早く症状が解決し、再発の確率がより低くなり、改善のインターバルがより長くなる。」と述べています。
これらの結果も踏まえて、『肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン』では、「血栓性外痔核の治療の基本は保存的治療であるが、血栓が大きい場合、疼痛が強い場合、出血が続く場合には急性期の外科的切除を考慮する。」と記載されています。
執筆者
Thrombosed external hemorrhoids: outcome after conservative or surgical management.
Dis Colon Rectum. 2004 Sep
[PMID: 15486746]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。