◆熱性けいれんを発症した子どもを追跡調査し、再発に関連する要因を検証
熱性けいれんを初回発症した260名の子どもを対象に、その後4-6ヶ月ごとまたは再発した場合に、親と連絡をとり、状況を聴取しました。
◆熱性けいれんの発症時年齢が1歳半以下であると、再発の確率が1.95倍
以下の結果が得られました。
発症時の年齢が早いこと、初回の熱性けいれん発症が複雑型であること、熱性けいれんの家族歴があること、といった3つのリスク因子のみが多変量解析で有意のままであった。
オッズ比(OR)は、発症時年齢が早期である場合で1.95(95%信頼区間1.23-3.46)、初回の複雑型熱性けいれんがある場合で1.32(95%信頼区間0.719-2.423)、熱性けいれんの家族歴がある場合で1.13(95%信頼区間0.776-1.648)だった。
家族に熱性けいれんが起こったことがある場合や、熱性けいれんの初回発症時年齢が1歳半以下であると、再発する可能性が大きいという結果でした。
この結果も踏まえて、『熱性けいれん診療ガイドライン2015』では、熱性けいれんを再発する確率を上げる要因として以下の4つを挙げています。
- 両親いずれかの熱性けいれん家族歴
- 1歳未満の発症
- 短時間の発熱、発作間隔(概ね1時間以内)
- 発作時体温が39℃以下
これらのうちのいずれかが見られた場合、再発の確率は2倍以上になると記載されています。
執筆者
Which factors determine febrile seizure recurrence? A prospective study.
Brain Dev. 2008 Jan
[PMID: 17590300]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。