2015.08.28 | ニュース

熱性けいれんの再発を見極めるには?

ギリシャの研究チームが260名の子どもを分析

from Brain & development

熱性けいれんの再発を見極めるには? の写真

熱性けいれん全体の再発率は約30%であり、『熱性けいれん診療ガイドライン2015』では、再発を予測できる主な特徴について記載されています。その根拠のひとつとなった2008年の論文を紹介します。

◆熱性けいれんを発症した子どもを追跡調査し、再発に関連する要因を検証

熱性けいれんを初回発症した260名の子どもを対象に、その後4-6ヶ月ごとまたは再発した場合に、親と連絡をとり、状況を聴取しました。

 

◆熱性けいれんの発症時年齢が1歳半以下であると、再発の確率が1.95倍

以下の結果が得られました。

発症時の年齢が早いこと、初回の熱性けいれん発症が複雑型であること、熱性けいれんの家族歴があること、といった3つのリスク因子のみが多変量解析で有意のままであった。

オッズ比(OR)は、発症時年齢が早期である場合で1.95(95%信頼区間1.23-3.46)、初回の複雑型熱性けいれんがある場合で1.32(95%信頼区間0.719-2.423)、熱性けいれんの家族歴がある場合で1.13(95%信頼区間0.776-1.648)だった。

家族に熱性けいれんが起こったことがある場合や、熱性けいれんの初回発症時年齢が1歳半以下であると、再発する可能性が大きいという結果でした。

 

この結果も踏まえて、『熱性けいれん診療ガイドライン2015』では、熱性けいれんを再発する確率を上げる要因として以下の4つを挙げています。

  • 両親いずれかの熱性けいれん家族歴
  • 1歳未満の発症
  • 短時間の発熱、発作間隔(概ね1時間以内)
  • 発作時体温が39℃以下

これらのうちのいずれかが見られた場合、再発の確率は2倍以上になると記載されています。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Which factors determine febrile seizure recurrence? A prospective study.

Brain Dev. 2008 Jan

[PMID: 17590300]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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