2015.08.21 | ニュース

脳の磁気刺激で脳卒中の半側空間無視が改善する

ランダム化比較試験により検証
from Clinical Rehabilitation
脳の磁気刺激で脳卒中の半側空間無視が改善する の写真
(C) Sergey Nivens - Fotolia.com

脳卒中の症状のひとつである半側空間無視は、目に見える空間のうち、右か左の半分を把握することが困難である状態を言います。今回の研究では、反復経頭蓋磁気刺激という治療法により、半側空間無視が改善したと報告しました。

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、磁気を用いて頭皮上から脳を反復して刺激することで、脳の活動を変化させることができる手法です。高い周波数で行うと脳活動を促進(高頻度)、低い周波数で行うと脳活動を抑制(低頻度)することが知られています。

 

◆反復して磁気刺激を行う群と偽刺激を行う群にランダムに分類

今回の研究は、脳卒中患者30名を反復して経頭蓋磁気刺激を行う(rTMS)群と、偽刺激を行う群の2群に分け、半側空間無視の評価である線分二等分試験や運動機能の評価を使って効果を検証しました。どちらの群も、通常のリハビリテーションは行いました。

 

◆磁気刺激を行うと、線分二等分試験や運動機能が改善

調査の結果、以下のことを報告しました。

線分二等分試験(16.53±SD9.78 vs 3.60±SD5.02)、Albert(14.13±4.92 vs 3.26±2.01)、Box and Blockテスト(15.06±9.68 vs 6.93±7.52)、握力テスト(3.60±2.66 vs 0.80±1.26)において、実験群と対照群の間にトレーニング後の有意な改善が認められた(p<0.05)。

半側空間無視のある脳卒中患者の脳に磁気刺激を行うと、半側空間無視の症状と、運動機能が改善するという結果でした。

筆者らは、「rTMSは、半側空間無視と運動機能の悪化について、改善効果があるかもしれないと結論する。」と述べています。

 

半側空間無視があると、左側から声をかけられても気づかなかったり、左側の壁にぶつかっていても気づかなかったりと、日常生活が制限されることが多いです。リハビリテーションによって改善することもありますが、後遺症として残ることもあるため、このような手段が今後検討されることを期待します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Effects of repetitive transcranial magnetic stimulation on arm function and decreasing unilateral spatial neglect in subacute stroke: A randomized controlled trial.

Clin Rehabil. 2015 Aug 6

[PMID: 26254255]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事