2015.06.28 | ニュース

脳卒中後の失語に対して、脳の「ブローカ野」への両側の磁気刺激が有効

ランダム化比較試験により検討
from Neurorehabilitation and neural repair
脳卒中後の失語に対して、脳の「ブローカ野」への両側の磁気刺激が有効 の写真
(C)blueringmedia - Fotolia.com

脳卒中によって起こる症状のひとつに、言葉が出なくなったり読めなくなったりする「失語」がありますが、治療法は検証段階に留まっています。今回の研究では、失語のなかでも、発話の量が少なくなる非流暢性失語の患者を対象に、反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)という治療法を試しました。言語療法後にrTMSで治療したところ、言語能力は改善し、その効果は2ヶ月後も持続したという結果が出ました。

◆反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)で脳活動を変化

rTMSは、磁気を用いて頭皮上から脳を刺激することで脳の活動を変化させることができる手法です。高い周波数で行うと脳活動を促進(高頻度rTMS)、低い周波数で行うと脳活動を抑制(低頻度rTMS)することが知られています。

今回の研究では、非流暢性失語症の脳卒中患者30名を、rTMSと言語療法を行う群(rTMS群)と、偽刺激と言語療法を行う群(偽刺激群)にランダムに振り分け、以下の方法でrTMSを実施しました。

患者は、右側(非障害側)のブローカ野(安静時運動閾値の110%の強度で1Hz)、左側(障害側)のブローカ野(安静時運動閾値の80%の強度で20Hz)にそれぞれ1000発のrTMSを10日間連続で実施し、そののち言語療法を受けた。

非流暢性失語症には脳のブローカ野という部分が深く関係していると考えられています。ブローカ野は左右に1か所ずつありますが、脳卒中発症すると、傷ついていない側の活動が過剰に高くなり、傷ついた側の活動が過剰に低くなってしまいます。

そのような現象に対して、傷ついていない側の脳活動を抑制、傷ついた側の脳活動を促進する目的で、rTMSを適用しその効果を検証しました。

 

◆rTMS群は偽刺激群と比べて言語能力を改善し、その効果は2ヶ月後まで持続

調査の結果、以下のことを報告しました。

rTMS群では、偽刺激群と比較して、SADQ-H、HSSの言語スコアで有意に大きな改善が認められ、その効果は介入終了2ヶ月後も持続していた。

言語療法後にrTMSを実施すると、偽刺激を行った場合と比較して、言語能力が改善するという結果でした。また、その効果は、2ヶ月後も持続していました。

 

rTMSの研究について、運動機能や認知機能への治療法と同様に、言語機能への適用が今後期待できるかもしれません。

執筆者

MT

参考文献

Dual-hemisphere repetitive transcranial magnetic stimulation for rehabilitation of poststroke aphasia: a randomized, double-blind clinical trial.

Neurorehabil Neural Repair. 2014 Oct

[PMID: 24503205]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

関連記事 おすすめ 人気記事 病気について知る 病院を探す PR インタビュー記事
MEDLEYニュース新着記事