2016.02.05 | ニュース

失語症の人はコミュニティ活動への参加が減るとうつが増える?

30人の失語症者を対象に検証

from Yonsei medical journal

失語症の人はコミュニティ活動への参加が減るとうつが増える?の写真

失語症とは、話す、聞く、読む、書くなどが難しくなってしまう症状です。脳卒中による脳の損傷などで起こります。失語症がある人のコミュニティ参加が生活の質や健康に影響するかが調べられました。

◆ 失語症があるときのコミュニティ参加

今回の研究では、脳卒中が原因で失語症となってしまった患者30人が対象となりました。対象者はコミュニティ参加、うつ症状、生活の質を調べるアンケートに答え、42人の比較対象となる健康な人と比べられました。

 

◆ 失語症ではコミュニティ参加が減少、うつになる可能性も

コミュニティ参加質問票の社交性の項目と、うつ症状スコアにわずかな相関関係が見られました

脳卒中が原因で失語症を持っている人のコミュニティ活動への参加はわずかでした。

 

脳卒中が原因で失語症を起こした人たちはコミュニティ活動への参加が減ってしまい、うつになる可能性も考えられます。

脳の損傷が原因で失語症が起きた人たちには言語療法士による言語リハビリが回復に役立ちます。失語症を持っている人たちは、自分の意見を伝えることや、他人の意見を理解することも困難であるため、通常のコミュニケーションが取れない状態にあります。言語リハビリが失語症を持った人たちのコミュニティ参加への支援、ひいては心の健康に役立つかもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Community Integration and Quality of Life in Aphasia after Stroke.

Yonsei Med J. 2015 Nov.

[PMID: 26446656]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る