2015.09.23 | ニュース

脳卒中による失語を治療、磁気刺激をしながら言語トレーニング

ランダム化比較試験により検証
from Stroke; a journal of cerebral circulation
脳卒中による失語を治療、磁気刺激をしながら言語トレーニング の写真
(C) pathdoc - Fotolia.com

脳卒中によって、話すことができない「失語」の症状が現れたとき有効なリハビリに、言語聴覚療法と反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)があります。今回の研究は、このふたつの方法を同時に行い、言語機能に対する効果を検証しました。

◆言語聴覚療法と磁気刺激を同時に行う群と偽刺激群にランダムに振り分け

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、磁気を用いて頭皮上から脳を反復して刺激することで、脳の活動を変化させることができる手法です。高い周波数で行うと脳活動を促進(高頻度)、低い周波数で行うと脳活動を抑制(低頻度)することが知られています。

脳卒中後に非流暢性失語になった患者45人を、言語聴覚療法とrTMSを同時に行う群、rTMS後に言語聴覚療法を行う群、言語聴覚療法とrTMSの偽刺激を行う群の計3群にランダムに分けました。

rTMSは、低頻度の刺激を脳の障害された側と反対側に行うことで、相対的に障害された側が働くようにする方法を使いました。 言語聴覚療法は絵呼称トレーニング(絵や写真を見せてその名前を言う練習)を実施しました。これらの言語機能に対する効果を検証しました。

 

◆言語聴覚療法とrTMSの実施で言語機能はより改善

以下の結果が得られました。

TMSsynは、TMSsubとTMSshamと比べて、Concise Chinese Aphasia test スコア(p<0.001)、表現と描写のサブテスト(p<0.001)、実行(p=0.02)と目的呼称活動(p=0.008)で有意に良好な結果を示し、その良好な結果は3ヶ月まで続いた(p=0.005)。

言語聴覚療法とrTMSを同時に行うと、別々に行った場合、偽刺激を行った場合と比べて、言語機能がより改善しました。

 

脳卒中患者の言語機能の改善は、生活に必要なコミュニケーションが再びできるようにするために非常に重要な側面となります。言語聴覚療法を単独で行うよりも、磁気刺激を行うことで効率的に言語機能を改善できるのであれば、リハビリに取り入れられる日も遠くはないかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Efficacy of synchronous verbal training during repetitive transcranial magnetic stimulation in patients with chronic aphasia.

Stroke. 2014 Dec

[PMID: 25378426]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。