2015.08.16 | ニュース
高血圧で認知症は増えるのか?閉経前後の女性で検討
1,034人の観察研究
from Journal of clinical hypertension (Greenwich, Conn.)
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血圧と認知症の関係についてはわかっていない部分も残されています。40代から60代を中心とした女性の集団を対象にした研究で、閉経前後で違う傾向が見られました。
◆閉経と高血圧、認知症の関係を検討
研究班は、平均およそ47歳の女性1,034人を対象として、認知機能のテストの結果と血圧に関連が見られるかを、閉経前後で分けて調べました。
◆閉経後で関連あり
次の結果が得られました。
年齢と教育水準で調整したロジスティック回帰を使い、閉経後で高血圧の女性と閉経後で血圧が正常の女性との間でmini-Boston Naming Testの結果に統計的な差が見られ(オッズ比1.48、95%信頼区間1.06-2.07、P=0.021)、正常血圧で閉経前の女性と正常血圧で閉経後の女性には差が見られなかった(オッズ比0.89、95%信頼区間0.51-1.57、P=0.697)。
閉経後で血圧が正常の女性と比べて、閉経後で高血圧の女性ではテストの結果が悪い傾向がありました。閉経後で血圧が正常の女性と、閉経前で血圧が正常の女性では差が見られませんでした。
この研究の方法では、血圧と認知能力の因果関係は明らかにはできませんが、閉経後で高血圧の女性は気に留めてよい結果かもしれません。
執筆者
参考文献
Association Between Hypertension, Menopause, and Cognition in Women.
J Clin Hypertens (Greenwich). 2015 Aug 7 [Epub ahead of print]
[PMID: 26252810]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。