2015.06.30 | ニュース

鉄欠乏性貧血に卵白のタンパク質が効いた、しかし卵黄は悪影響

京都府立大でラットの実験
from Nutrients
鉄欠乏性貧血に卵白のタンパク質が効いた、しかし卵黄は悪影響の写真
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貧血のうち最も多くの人に起こる鉄欠乏性貧血は、出血などさまざまな原因で起こり、食生活の偏りによって長期的に鉄が不足して起こる場合もあります。京都府立大学の研究班が、鉄とともに摂取するタンパク質の種類によって、体が鉄を利用する効率に違いがあるという仮説からラットで実験を行い、卵白のタンパク質を与えると鉄欠乏性貧血からの回復によい影響があったが、卵黄を与えると悪い影響があったことを報告しました。

◆貧血ラットに鉄の量が同じエサを与える

研究班は、ラットに鉄の少ないエサを食べさせて鉄欠乏性貧血の状態にし、その後21日間、鉄の量は同じで含まれるタンパク質の種類が違うエサを与えました。そして、与えたエサによって鉄欠乏性貧血から回復する度合いに違いがあるかどうかを調べました。

 

◆卵白で好影響、卵黄は悪影響

実験から次の結果が得られました。

卵黄補充食群では、ほかの群に比べてヘマトクリット、ヘモグロビン、トランスフェリン、飽和度、肝臓内鉄量の回復が遅れ(順にP<0.01、0.01、0.01、0.05)、その結果、研究期間の終了時点で鉄欠乏性貧血から回復したラットはいなかった。卵白群と卵白アルブミン群には、カゼイン群と比べて血液パラメータに有意な差はなかった。卵白群と卵白アルブミン群の肝臓内鉄量はカゼイン群よりも高かった(P<0.05)。

卵黄を含むエサを与えたラットでは、貧血からの回復が遅い傾向がありました卵白を含むエサを与えたラットと、卵白に多く含まれる卵白アルブミンというタンパク質を含むエサを与えたラットでは、肝臓に蓄えられる鉄の量が多くなる傾向がありました

研究班は「この研究は食物鉄の生物学的利用能が食物タンパク質の由来によって異なることを示している」と結論しています。

 

ラットと同じことが人間にも当てはまるかどうかはこの結果だけではわかりませんが、食べ物の効果を示唆する結果かもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Egg Yolk Protein Delays Recovery while Ovalbumin Is Useful in Recovery from Iron Deficiency Anemia.

Nutrients. 2015 Jun 15

 

[PMID: 26083113]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。