2015.05.04 | ニュース

質の高い食事はCOPDの発症リスクを減らす?

米国人、約12万人の大規模調査

from BMJ (Clinical research ed.)

質の高い食事はCOPDの発症リスクを減らす?の写真

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とはタバコなどの影響で気管支や肺胞がダメージをうけて、正常な呼吸ができなくなっている状態です。原因のほとんどが長期間の喫煙であるため禁煙することがもっとも重要な予防法でした。 今回、米国の研究チームが「質の高い」食事をすることでCOPDの発症リスクを減らす可能性があることを報告しました。

◆米国で、約12万人の大規模調査を行う

73,228例の女性、47,026人の男性に質問表をとりながら追跡調査を行いました。
調査期間中に、COPDと診断された患者(女性723例、男性167例)を対象にCOPDの発症とそのリスク要因を分析しました。

 

◆質の良い食事はCOPDの発症リスク低下させる

分析の結果、健康的であるとされる食品の摂取は不健康を及ぼすとされる食品に比べるとCOPDの発症リスクを低下させることが判明しました。

健康的な食品

  • 全粒粉
  • 多価不飽和脂肪酸の多い食品
  • ナッツ
  • 長鎖オメガ3脂肪酸の多い食品

不健康な食品

  • 赤身や加工肉
  • 精製された穀物
  • 糖分の多い飲料水

この傾向はCOPD発症の最たる原因である喫煙歴に関わらず見受けられました。

研究チームは「COPDの発症を抑えるために食事の内容(不健康な食品を避け、健康的な食品を摂取する)を変えるといった多方面の介入が重要である」と主張しています。

 

食事の内容がCOPDの発症に関わっている可能性がわかりました。
COPDの大きな原因である喫煙を控えるだけでなく、食生活の見直しも大切な予防法かもしれません。

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Alternate Healthy Eating Index 2010 and risk of chronic obstructive pulmonary disease among US women and men: prospective study.

BMJ. 2015 Feb 3

[PMID: 25649042]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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