カンプト点滴静注100mgの副作用
※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。
人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。
また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。
主な副作用
発熱、電解質異常、嘔吐、食欲不振、悪心、腹痛、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇、脱毛
起こる可能性のある重大な副作用
好中球減少、血小板減少、貧血、下痢、発熱性好中球減少症、腸管麻痺、腸閉塞、間質性肺炎、心室性期外収縮、骨髄機能抑制、汎血球減少、白血球減少、重症感染症、敗血症、肺炎、重篤な白血球減少、重篤な好中球減少、播種性血管内凝固症候群、DIC、重篤な感染症、高度な下痢、腸炎、大腸炎、小腸炎、高度な下痢の持続、脱水、ショック、循環不全、呼吸困難、血圧低下、早発型の下痢、遅発型の下痢、腸管穿孔、消化管出血、下血、血便、アナフィラキシー、過敏症状、肝機能障害、黄疸、急性腎障害、血栓塞栓症、肺塞栓症、静脈血栓症、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症発作
上記以外の副作用
倦怠感、好酸球増加、総蛋白減少、アルブミン減少、しゃっくり、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、痔核、胃腸音異常、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、腎機能障害、BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿、血尿、尿沈渣異常、気管支炎、咽頭炎、鼻炎、発声障害、咽頭知覚不全、口腔咽頭不快感、頭痛、発疹、そう痒感、皮膚色素沈着、皮膚浮腫、紅斑、手足症候群、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥、しびれ、末梢神経障害、めまい、精神症状、意識障害、傾眠、興奮、不安感、不穏、頻脈、動悸、発汗、顔面潮紅、疼痛、腰痛、カルシウム異常、尿酸異常、尿ウロビリノーゲン異常、糖尿、過敏症、胃潰瘍、胃部不快感、腹部不快感、胃炎、消化不良、便秘、食道炎、吐血、腸管運動亢進、乏尿、クレアチニンクリアランス低下、咽頭痛、咳嗽、PaO2低下、上気道炎、蕁麻疹、帯状疱疹、粘膜炎、発赤、痙攣、耳鳴、味覚異常、うつ病、目のかすみ、不眠、振戦、構語障害、不整脈、徐脈、心房細動、高血圧、心電図異常、コリン作動性症候群、悪寒、胸部不快感、胸痛、関節痛、筋痛、鼻出血、脱力感、無力症、疲労、体重増加、体重減少、LDH低下、白血球増加、血小板増加、白血球分画変動、CRP上昇、注射部位反応、注射部位発赤、注射部位疼痛、血管炎、流涙、熱感、腹水、鼻汁
カンプト点滴静注100mgの用法・用量
- (1). 小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌(手術不能又は再発)及び有棘細胞癌はA法を、子宮頸癌、卵巣癌、胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌(手術不能又は再発)はA法又はB法を使用する
- また、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)はC法を、小児悪性固形腫瘍はD法を、治癒切除不能な膵癌はE法を使用する
- A法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、100mg/㎡を1週間間隔で3~4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する
- これを1クールとして、投与を繰り返す
- B法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、150mg/㎡を2週間間隔で2~3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する
- これを1クールとして、投与を繰り返す
- C法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、40mg/㎡を3日間連日点滴静注する
- これを1週毎に2~3回繰り返し、少なくとも2週間休薬する
- これを1クールとして、投与を繰り返す
- なお、A~C法の投与量は、年齢、症状により適宜増減する
- D法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、1日1回、20mg/㎡を5日間連日点滴静注する
- これを1週毎に2回繰り返し、少なくとも1週間休薬する
- これを1クールとして、投与を繰り返す
- E法:イリノテカン塩酸塩水和物として、通常、成人に1日1回、180mg/㎡を点滴静注し、少なくとも2週間休薬する
- これを1クールとして、投与を繰り返す
- なお、D法及びE法の投与量は、患者の状態により適宜減量する
- (2). A法、B法及びE法では、本剤投与時、投与量に応じて500mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、90分以上かけて点滴静注する
- C法では、本剤投与時、投与量に応じて250mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する
- D法では、本剤投与時、投与量に応じて100mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 〈効能共通〉投与予定日の白血球数又は血小板数が次の投与可能条件に満たない場合は、本剤の投与を中止又は延期すること:白血球数3000/mm3以上、血小板数100000/mm3以上〔1.5.2、7.2参照〕
- 7.2. 〈効能共通〉投与可能条件を満たしていても、白血球数が急激な減少又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期すること
- また、白血球数が異常な高値を示す患者及びCRP異常値を示すなど感染症が疑われる患者では、投与後に白血球の急激な減少が起こることがあるので、このような場合には、投与可能条件を満たしていても、骨髄機能の回復を十分に確認してから投与を行うこと〔1.5.3、7.1、7.3参照〕
- 7.3. 〈治癒切除不能な膵癌〉オキサリプラチン、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、2クール目以降、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること〔1.5.2、7.2参照〕
- 1). 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合の2クール目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること):好中球数1500/mm3以上、血小板数75000/mm3以上
- 2). 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合の減量基準:前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、次の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にすること)、また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する
- ①. 〈治癒切除不能な膵癌〉好中球減少:次のいずれかの条件を満たす場合:a. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で2クール目以降の好中球数の投与可能条件を満たさず投与を延期:本剤を優先的に減量する(ただし、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)
- b. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で好中球減少<500/mm3未満が7日以上持続>:本剤を優先的に減量する(ただし、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)
- c. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で感染症又は下痢を併発し、かつ好中球減少<1000/mm3未満>:本剤を優先的に減量する(ただし、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)
- d. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で発熱性好中球減少症:本剤を優先的に減量する(ただし、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)
- ②. 〈治癒切除不能な膵癌〉下痢:a. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で発熱<38℃以上>を伴う下痢:本剤を優先的に減量する(ただし、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)
- b. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で*下痢<グレード3以上>:フルオロウラシル持続静注を減量する
- ③. 〈治癒切除不能な膵癌〉血小板減少:次のいずれかの条件を満たす場合:a. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で2クール目以降の血小板数の投与可能条件を満たさず投与を延期:オキサリプラチンを優先的に減量する(ただし、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する)
- b. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で血小板減少<50000/mm3未満>:オキサリプラチンを優先的に減量する(ただし、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する)
- ④. 〈治癒切除不能な膵癌〉総ビリルビン上昇:a. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で総ビリルビン上昇<2.0mg/dL超3.0mg/dL以下>:本剤を120mg/㎡に減量する
- b. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で総ビリルビン上昇<3.0mg/dL超>:本剤を90mg/㎡に減量する
- ⑤. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で*粘膜炎<グレード3以上>:フルオロウラシル持続静注を減量する
- ⑥. 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合で*手足症候群<グレード3以上>:フルオロウラシル持続静注を減量する
- 〈治癒切除不能な膵癌〉FOLFIRINOX法を行う場合の減量基準において、複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること
- *)CTCAE version4.0
- 3). 〈治癒切除不能な膵癌〉減量時の投与量(オキサリプラチン85mg/㎡、本剤180mg/㎡、フルオロウラシル持続静注2400mg/㎡で投与を開始した場合):①. 〈治癒切除不能な膵癌〉投与レベル-1:オキサリプラチン65mg/㎡、本剤150mg/㎡、フルオロウラシル持続静注1800mg/㎡
- ②. 〈治癒切除不能な膵癌〉投与レベル-2:オキサリプラチン50mg/㎡、本剤120mg/㎡、フルオロウラシル持続静注1200mg/㎡
- ③. 〈治癒切除不能な膵癌〉投与レベル-3:オキサリプラチン中止、本剤中止、フルオロウラシル持続静注中止
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。
カンプト点滴静注100mgの注意が必要な飲み合わせ
※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。
薬剤名 |
影響 |
腸管蠕動を抑制する薬剤 |
腸管麻痺、腸閉塞、腸管穿孔、死亡 |
塩酸ロペラミド |
腸管麻痺、腸閉塞、腸管穿孔、死亡 |
硫酸モルヒネ |
腸管麻痺、腸閉塞、腸管穿孔、死亡 |
硫酸アタザナビル |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
抗悪性腫瘍剤 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
アゾール系抗真菌剤 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
ケトコナゾール |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
フルコナゾール |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
イトラコナゾール |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
ミコナゾール |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
マクロライド系抗生物質 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
エリスロマイシン |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
クラリスロマイシン |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
リトナビル |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
ジルチアゼム |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
ニフェジピン |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
モザバプタン塩酸塩 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
ソラフェニブトシル酸塩 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
ラパチニブトシル酸塩水和物 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
レゴラフェニブ水和物 |
骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強 |
末梢性筋弛緩剤 |
作用が減弱 |
スキサメトニウム塩化物水和物 |
作用が減弱 |
ベクロニウム臭化物 |
作用が減弱 |
ロクロニウム臭化物 |
作用が減弱 |
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤 |
本剤の活性代謝物<SN-38>の血中濃度が低下し作用が減弱 |
フェニトイン |
本剤の活性代謝物<SN-38>の血中濃度が低下し作用が減弱 |
カルバマゼピン |
本剤の活性代謝物<SN-38>の血中濃度が低下し作用が減弱 |
リファンピシン類 |
本剤の活性代謝物<SN-38>の血中濃度が低下し作用が減弱 |
フェノバルビタール |
本剤の活性代謝物<SN-38>の血中濃度が低下し作用が減弱 |