アブロシチニブ(JAK阻害薬) - 解説(効能効果・副作用・薬理作用など) | MEDLEY(メドレー)
アブロシチニブ(JAK阻害薬)
JAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素の働きを阻害することで、アトピー性皮膚炎の病態に深く関わる炎症性サイトカインのシグナル伝達を阻害し、免疫細胞の活性化や炎症を抑えることで痒みなどの症状を改善する薬
同義語:
ヤヌスキナーゼ阻害薬

アブロシチニブ(JAK阻害薬)の解説

アブロシチニブ(JAK阻害薬)の効果と作用機序

  • アトピー性皮膚炎病態に深く関わるJAK(ヤヌスキナーゼ)という物質の働きを抑えることで痒みなどの症状を改善する薬
    • アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥やバリア機能異常に様々な刺激やアレルギー反応が加わり痒みなどの症状があらわれる
    • アトピー性皮膚炎の病態には炎症サイトカインという物質が深く関わる
    • 本剤は炎症性サイトカインによるシグナル伝達に関わるJAKという酵素の働きを阻害する作用をあらわす

アブロシチニブ(JAK阻害薬)の薬理作用

アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥やバリアー機能異常などがあり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じる慢性的な皮膚炎で主に痒みなどの症状を伴う。

体内では種々の炎症反応が引き起こされるが、炎症反応を引き起こす要因となる化学伝達物質のひとつに炎症性サイトカインがある。アトピー性皮膚炎などのアレルギー反応が関わる病態には、炎症性サイトカインが深く関わるとされ、その中でもインターロイキン(IL)などは主な炎症性サイトカインとなる。ILによるシグナル伝達に必要な酵素としてヤヌスキナーゼ(JAK)があり、アトピー性皮膚炎の病態においては、JAKの種類(JAKファミリー)の中でもJAK1が深く関わるとされる。

本剤はJAK(主にJAK1)への阻害作用により、ILなどの炎症性サイトカインによるシグナル伝達を阻害し、サイトカインにより誘発される免疫細胞や炎症細胞の活性化を抑えることで皮膚の炎症を抑える効果やサイトカインにより誘発される掻痒(痒み)などを抑える効果が期待できる。

なお、JAK阻害薬には炎症性サイトカインの働きを抑える効果が期待できるため、アトピー性皮膚炎以外の病態に関しても有用となる。実際にトファシチニブやバリシチニブといったJAK阻害薬は炎症性サイトカインが深く関わる関節リウマチなどの治療薬として臨床で使われている。

アブロシチニブ(JAK阻害薬)の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 吐き気、腹痛、下痢などがあらわれる場合がある
  • 精神神経系症状
    • 頭痛、めまい、眠気などがあらわれる場合がある
  • 皮膚症状
    • ざ瘡、脱毛症、痒みなどがあらわれる場合がある
  • 感染症
    • ヘルペスウイルス感染症(単純ヘルペス帯状疱疹など)、肺炎などがあらわれることがあり、場合によっては敗血症などの重篤な病態が引き起こされる可能性もある
  • 血液症状(無顆粒球症血小板減少症など)
    • 頻度は稀とされる
    • 突然の高熱、寒気、喉の痛み、手足に点状出血、あおあざができやすい、出血しやすい、などの症状がみられた場合は放置せず、ただちに医師や薬剤師に連絡する
  • 間質性肺炎
    • 頻度は非常に稀とされる
    • 空咳が出る、階段を登ったり少しはやく歩いたりするとに息が苦しくなる、発熱する、などがみられ特にこれらの症状が薬剤の投与後に急に出現したり続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • 血栓症(主に静脈血塞栓症)
    • 頻度は非常に稀とされる
    • 手足の麻痺や痺れ、足の痛みを伴う腫れ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難などがみられた場合は放置せず、ただちに医師や薬剤師に連絡する

アブロシチニブ(JAK阻害薬)の一般的な商品とその特徴

サイバインコ

  • アブロシチニブ製剤
    • 通常、1日1回、服用する