発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)とは? 症状、原因、検査、治療など
PNHは
目次
1. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の話をする前に…そもそも貧血とはどういう状態を指すのか?
PNHは貧血を起こす病気です。ここでいう貧血(医学的な意味での貧血)とは血液中の
一方、日常生活では立ちくらみ、めまいなどのことを「貧血」と言い表すことがあるかもしれません。これはヘモグロビンが少なくなることでも起こりますが、それ以外にも、起立性低血圧症なども原因になります。起立性低血圧症は急に立ち上がった際に脳への血流が下がることでめまいやふらつきなどの症状を引き起こす病気です。
このように医学的な意味での貧血とと日常生活で出てくる貧血という言葉には少し乖離があることがあります。この記事では「貧血」を「ヘモグロビンが少なくなっている状態」という医学的な意味で使っています。
2. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の症状について
PNHの一番特徴的な症状はコーラ色の尿が出ることです。これは赤血球が壊され、中に含まれるヘモグロビンが尿に漏れ出ること(ヘモグロビン尿)で起こります。赤血球が壊されると貧血の原因にもなります。
PNHは他にも様々な症状が現れます。症状の特徴により分けると以下のようになります。
- ヘモグロビンの毒性による症状
- コーラのような色をした尿がでる
- 飲み込みづらさ
- 胸やお腹の痛み
- 勃起不全
- 貧血による症状
- 息切れ
動悸 - めまい
- 疲れやすさ
白血球 が少なくなることよる症状- 発熱
倦怠感
血小板 が少なくなることよる症状- あざができやすくなる
- 歯ぐきからの出血する
- 血管が詰まることによる症状
- 足の痛み
- 足の
むくみ - 息切れ
- 胸の痛み
- ろれつがまわらない
- 突然、手足がうごがせなくなる
「PNHの症状について」のページではそれぞれの症状の解説や注意すべき点を紹介しています。
3. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の原因について
私たちの身体の中には
免疫システムは様々な細胞や物質により成り立っています。その中でPNHのメカニズムを考える上では「補体」という免疫物質が重要です。
詳しい説明は「原因のページ」に譲りますが、PNHの人では遺伝子の異常により、赤血球が「自分の身体」であることを示す目印を出せなくなっています。その結果、補体が赤血球を攻撃してしまうというわけです。
実際このメカニズムに基づき、治療で補体をターゲットとした薬を使うこともあります。
「PNHの原因について」のページではどうして補体が赤血球を攻撃するのか詳しく見ていきます。
4. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の検査について
- 血液検査
- 尿検査
- フローサイトメトリー
骨髄 検査
PNH以外にも貧血の原因はたくさんあります。血液検査は貧血の原因の見極めに必要な検査です。尿検査ではPNHの特徴である尿中にヘモグロビンがあるかを調べます。フローサイトメトリーはPNHの診断確定に用います。骨髄検査では血液の工場である骨髄の状態を調べます。
「PNHの検査について」のページでは、それぞれの検査について詳しく説明しています。
5. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療について
PNHの主な治療としては以下のものがあります。
抗補体標的療法はPNHの原因となる補体をターゲットとした薬剤です。ステロイド薬が使われることもありますが、骨粗しょう症、糖尿病、
6. 知っておきたい医療費助成制度のこと
PNHの治療は非常に高額になることがあります。医療費助成制度を活用することにより、治療による経済的負担を減らせる可能性があります。ここでは「難病の医療費助成制度」と「高額療養費制度」について解説します。
難病の医療費助成制度は厚生労働省の指定する300の難病に設けられている助成制度です。国の指定する重症度の要件を満たすと、医療費助成制度の対象となります。難病の医療費助成を受ける場合には自治体への申請が必要です。
高額療養費制度は家計に応じて医療費の自己負担額に上限を決めている制度です。医療機関の窓口において医療費の自己負担額を一度支払った後に、月ごとの支払いが自己負担限度額を超える部分について後で払い戻しがあります。
「注意点について」のページでは、具体的な申請の流れと払い戻し額の計算法を紹介しています。他にも「感染対策」「妊娠時の注意点」「お医者さんと相談した方が良い状況」について解説していますので参考にしてみてください。