AGA(男性型脱毛症)の基礎知識
POINT AGA(男性型脱毛症)とは
思春期以降に主に男性に起こる進行性の脱毛のことです。頭のてっぺんや生え際の毛髪が減っていきます。この変化にはジヒドロテストステロンという男性ホルモンが関与していると考えられています。女性にも起こることがありますが、その場合はある部分の毛髪が減るのはなく、毛髪全体の量が減っていきます。毛髪を増やす薬としてはミノキシジルやフィナステリドがあり、必要に応じて使われます。男性型脱毛症が心配な人や治療したい人は皮膚科や内科、泌尿器科などで相談してみてください。
AGA(男性型脱毛症)について
- AGA(androgenetic alopecia)と呼ばれることが多い
- 思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛
- 疾患ではなく生理的な現象
- 毛髪が生える周期の中で、毛が成長する成長期が短くなり、休止期の毛髪が多くなることで起こる
- 男性ホルモンが関与しているが、その中でも前頭部や頭頂部の毛髪が影響を受けやすいため(男性ホルモン感受性毛包)、脱毛のタイプとしては前頭部型と頭頂部型が多くなる
- 女性にも起こるが、女性の場合は前頭部型や頭頂部型ではなく、全体の毛髪量が減少する全頭型であることが多い
- 遺伝子の関与が指摘されている
- 父親
- 母方の祖父母の脱毛の状況は関連性が強い
AGA(男性型脱毛症)の症状
- 前頭部、頭頂部を中心に毛が薄く、細くなる
- 痛みやかゆみなどの症状は特にみられない
- 局所的ではなく左右対称に脱毛が生じるのも特徴
AGA(男性型脱毛症)の検査・診断
AGA(男性型脱毛症)の治療法
- 以下の薬を用いて治療することが多い。
- フィナステリド(商品名:プロぺシア)
- ミノキシジル
- 喫煙やストレス、バランスの偏った食事などを避けることも重要
- 特に亜鉛や鉄などのミネラルは、毛髪の成長を促し健康に保つ働きがある
AGA(男性型脱毛症)の経過と病院探しのポイント
AGA(男性型脱毛症)が心配な方
ご自身の毛髪に変化があってAGAではないかと気になる場合には、皮膚科のクリニックを受診されるのが良いです。最近ではAGA専門や、AGAへの取り組みに力を入れているクリニックも増えてきています。ただしAGAの診断であれば必ずしも特別な医療機関を受診する必要はありません。皮膚科であれば多くの場合対応が可能ですし、もし身近な医療機関の受診に心配な点があれば事前に電話でAGAの診療が行えるかを確認することをおすすめします。また、医療機関での治療だけでなく日中のリズム(睡眠のタイミングや長さなど)を一定にすることや、喫煙者の場合禁煙にとりくむことも毛髪への効果が期待されます
AGA(男性型脱毛症)でお困りの方
AGA(男性型脱毛症)には様々な治療法がありますが、その中には医学的に効果が証明されているものと、はっきりしないものがあります。日本皮膚科学会が「男性型脱毛症診療ガイドライン」を発行していますので、ここではそれに沿って説明します。AGAに対して、日本皮膚科学会が「行うよう強く勧める」としている薬剤には2つあります。
■ミノキシジル(商品名:リアップなど)
男性に対して5%ミノキシジル外用液、また女性に対して1%ミノキシジル外用液を治療の第一選択として用いるべきとされています。
■フィナステリド(商品名:プロペシアなど)
男性に対して、内服療法の第一選択薬として用いるべきとされています。一方で、女性ではフィナステリドの効果が無いことに加え、妊娠や授乳に際して胎児乳児への強い副作用の恐れがあるため使用してはならないとされています。
ミノキシジルは処方箋を必要としない薬です。薬局での購入が可能で、病院で購入したからといって保険が効いて安くなるということはありません。フィナステリドにもやはり処方に保険は効かず、また国内では成人男性(20歳以上)のみが対象とされています。少なくとも6か月程度は内服を継続して効果をみるべきであり、内服を中止すると再び脱毛症状は進行してしまいます。
上記二種を除く治療については、日本皮膚科学会では「行うことを考慮してもよいが、十分な根拠が無い」、もしくはそれ以下の評価としています。
AGAに力を入れているクリニックの中では、ここに記載していないような様々な独自の取り組みやシャンプー製剤などを販売しているところがあります。それらであっても確かに効果が出る可能性はありますが、ミノキシジル、フィナステリドと比較すると幅広く行われているわけではありません。その理由は、まだ最先端のものであり効果が十分に検証されていないことなど様々です。適切な情報を集めて治療を受ける分には問題ありませんが、新しくて検証が不十分な治療にはリスクもありますのでまずはガイドラインに掲載されている治療を始めにご検討されることをお勧めします。
海外から薬剤を直輸入して販売しているウェブサイトは、中身が正しい薬剤であることが証明できない点、万が一重大な副作用が生じた時に救済制度の対象とならない点、医薬品の個人輸入代行事業そのものが違法行為である点など様々な問題があります。くれぐれもご注意ください。
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