発毛薬ミノキシジル、5%は1%より効くのか?

男性型脱毛症に対する発毛薬の効果について『男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)』で引用されている論文を紹介します。発毛薬ミノキシジルの濃度によって効果が異なるか検証しました。
◆1%のミノキシジルと5%のミノキシジルで比較
今回の研究は、男性型脱毛症の男性300人を、ミノキシジルの濃度が1%の群と5%の群にランダムに分け、発毛効果を検証しました。
◆5%のミノキシジルでより発毛効果あり
以下の結果が得られました。
主な効果変数である、1cm2あたりのうぶ毛ではない毛の平均変化量は、評価の主要時点である16週で、5%の外用ミノキシジルで26.4(n=142)、1%の外用ミノキシジルで21.2(n=144)であった。群間の差は
有意 であった(p=0.020)。有害事象の発生率は、5%群で8.7%(13/150)、1%群で5.3%(8/150)であり、群間に有意な差は見られなかった(χ2検定でp=0.258)。
1%よりも5%のミノキシジルを塗った方が、発毛効果が大きいという結果でした。1%と5%で副作用に差は見られませんでした。
『男性型脱毛症
1%ミノキシジルや5%ミノキシジルは市販薬として手に入れることができます(商品名「リアッププラス」「リアップジェット」が1%ミノキシジル、「リアップX5プラス」が5%ミノキシジルに相当します)。使用を検討されるときには用法・用量や使用上の注意を守り、特に治療中の病気がある方はあらかじめ医師や薬剤師にご相談ください。
執筆者
Randomized clinical trial comparing 5% and 1% topical minoxidil for the treatment of androgenetic alopecia in Japanese men.
J Dermatol. 2009 Aug
[PMID: 19691748]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。