あつざしょうこうぐん(ざめつしょうこうぐん、くらっしゅしょうこうぐん)
圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)
災害や事故などで長時間にわたり体の一部が圧迫され、その後に圧迫が解除されることで再灌流障害が起こり全身に異常が起こること
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最終更新: 2022.03.23
圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)の基礎知識
POINT 圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)とは
災害や事故などによって長時間に渡って、身体の一部が圧迫され、その後圧迫が解除された後に血流が再開した影響で全身に異常が起こることです。これは圧迫されたことによって身体に有害な物質が発生し、それが血流再開ととも血流に乗りに全身に行き渡ってしまうことによります。圧挫症候群はクラッシュ・シンドロームと呼ばれることもあり、筋肉の痛みや尿色の変化(褐色から赤色)、尿量の低下といった症状が現れます。特に、カリウムが溜まり過ぎると、危険な状態に陥ることがあるので、まず、血液検査でカリウムの値を確認します。圧挫症候群と診断された後には、大量の点滴をして有害な物質を身体の外に出すように努めます。点滴の効果が低いと判断された場合は、人工透析を行い、カリウムなどの身体に危険を起こす物質を取り除きます。圧挫症候群の診療は救急科や整形外科など複数の診療科が協力して行います。
圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)について
- 災害や事故などで長時間にわたり体の一部が圧迫され、その後に圧迫が解除されることで
再灌流障害 が起こり全身に異常が起こること- 瓦礫の下で身動きが取れない状態や、
意識障害 が原因で同じ姿勢を長時間とることにより、体の一部が圧迫を受け続けることがある - 圧迫が続くと血流が悪くなり、組織はダメージを受けるが、その状態で救助されると、再度血流がよくなることで再灌流障害が起こる
- 瓦礫の下で身動きが取れない状態や、
圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)の症状
圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)の検査・診断
- それまでの経過が診断の上で最も重要
心電図検査 :カリウムの心臓への影響を観察する- 血液検査
圧挫症候群(挫滅症候群、クラッシュ症候群)の治療法
- 大量の点滴を行い、尿を通じて体内の有害物質を外に出すよう努める
- マンニトールといった利尿剤も用いられる
- 腎不全に陥っている場合は、速やかに
透析 を行う - その他必要に応じて人工呼吸器による呼吸のサポートなど全身管理を行う