みとこんどりあびょう(みとこんどりあのうきんしょう)
ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)
細胞の中にあるミトコンドリアの働きが低下することが原因で、運動障害などの様々な症状が生じる病気の総称
9人の医師がチェック 32回の改訂 最終更新: 2017.12.06

ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)の基礎知識

ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)について

  • 細胞の中にあるミトコンドリアの働きが低下することが原因で、運動障害などの様々な症状が生じる病気の総称
    • 多くのエネルギーを必要とする神経、筋、心臓などに症状があらわれやすい
  • 頻度
    • 10万人に9-16人(イギリス、フィンランドの統計)
      ・症状が多様であり、軽症で診断がつかないものは上記数字には含まれておらず、実際には罹患率が上の数字より高い可能性がある
  • 病気の分類
    • 慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO)
      ・小児に多いが、成人にも少なくない
      ・ミトコンドリアDNAの一部欠損による
      ・CPEOの中で、眼や心臓の異常が見られるものをカーンズ・セイヤー症候群(KSS)と呼ぶ
    • ミトコンドリア脳筋症乳酸アシドーシス脳卒中発作症候群(MELAS;メラス)
      ・20歳以前の若年に発症する
      ・ミトコンドリアDNA内の一部の変異による
    • ミオクローヌスてんかん、ミオクローヌスを伴うミトコンドリア脳筋症(MERRF、福原病)
      ・幼児から中高年の大人まで幅広く発症し、徐々に進行する
      ・ミトコンドリアDNA内の一部の変異による
    • リー症候群
      ・乳幼児から小児に多く、自然に軽くなることもある
      ・ミトコンドリアDNA内の一部の変異による
    • レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON)
      ・若年から成人に多い、視神経の異常
      ・ミトコンドリアDNA内の一部の変異による
  • ミトコンドリアDNAは母系遺伝のため、ミトコンドリアDNAの異常は母から子へ受け継がれる
    • 異常を示すミトコンドリアの比率が高くないと発症しないため、必ずしも子も同じ病気になるわけでなく、母親に症状がでなくても子に症状がでることもある
  • 難病に指定されており、申請を行えば症状の進行具合によって医療費の補助を受けることができる

ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)の症状

  • 主にけいれん、脳に由来する精神症状や、目や耳の異常、運動障害などを生じる
  • 慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO)
    • 慢性的に進行する外眼筋麻痺、眼瞼下垂、四肢筋力低下がみられる
  • ミトコンドリア脳筋症乳酸アシドーシス脳卒中発作症候群(MELAS;メラス)
    • 脳卒中に似た頭痛と嘔吐に加え、けいれん、片麻痺、同名半盲などの症状と、難聴知能障害、精神症状などの中枢神経系症状がみられる
    • 筋力低下、低身長などを起こし、糖尿病腎不全心筋症を併発することがある
  • ミオクローヌスてんかん・ミオクローヌスを伴うミトコンドリア脳筋症(MERRF;福原病(ふくはらびょう))
    • 手足の不随運動、運動障害、筋力低下、知能障害、難聴などがみられる
  • リー症候群
    • 精神発達の遅れ、けいれん、嚥下困難などがみられ、呼吸不全に至ることも多い
  • レーバー遺伝性視神経萎縮症(LHON)
    • 夜盲(暗闇で物が見えない・鳥目)から始まり、視力障害が進行していく
    • ジストニアなどの神経症状を合併することもある

ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)の検査・診断

  • 主な検査
    • 一般的な血液検査や画像検査では診断することができない
    • 生検:筋肉のごく小さな一部を採取して、顕微鏡で観察する
    • 血液中からのミトコンドリアDNAを検査することで診断を確定するが、一部の医療機関でしか調べることができない

ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)の治療法

  • 根本的な治療法は確立されていない
  • ミトコンドリア内の代謝に関する酵素補充療法
    • ビタミン(ナイアシン、B1、B2、リポ酸など)製剤を飲む
  • それ以外には、各種症状ごとの対症療法(症状を和らげる治療)を行う

ミトコンドリア病(ミトコンドリア脳筋症)のタグ

医師登録をしてMEDLEYの編集に協力する