まんせいけつまくえん
慢性結膜炎
感染やアレルギーやドライアイ(目の乾燥)などが原因で、結膜に慢性的な炎症が起きた状態
3人の医師がチェック 30回の改訂 最終更新: 2018.10.23

慢性結膜炎の基礎知識

POINT 慢性結膜炎とは

結膜はまぶたのうらと白目の部分のことです。感染症やドライアイ、アレルギーなどによって結膜に慢性的な炎症が起こることがあります。結膜の充血や目やに、異物感、かゆみなどが主な症状です。原因に合わせて治療が行われます。例えば、細菌感染が原因の場合は抗菌薬を含んだ点眼が有効で、一方でアレルギーが原因の場合はステロイド薬が含まれた点眼液で炎症が抑えられます。炎症が長引くこともありますが、しっかりと腰を据えて治療することが大切です。慢性結膜炎が疑われる人は眼科を受診してください。

慢性結膜炎について

  • 感染やアレルギードライアイ(眼の乾燥)などが原因で、結膜慢性的炎症が起きた状態
  • 主な原因
    • 感染が起こっている
    • 免疫力が低下している
    • ドライアイで、涙の分泌が低下している
    • アレルギーがある
    • コンタクトレンズの不適切な使用(使用期間を守っていない、不十分な手入れなど)
  • 結膜炎が慢性的に起こっていても、症状を自覚しないことがある

慢性結膜炎の症状

  • 主な症状
    • 充血
    • 目やに
    • 異物感
    • かゆみ
  • その他の症状
    • 急性結膜炎と比較すると、症状は軽いことが多い
    • 数週間から数年間、症状が続くことがある

慢性結膜炎の検査・診断

  • 主な検査
    • 細菌検査
    • アレルギー検査などで原因を特定する
    • 涙液分泌能検査:ドライアイの検査

慢性結膜炎の治療法

  • 原因に合わせた点眼薬を使用する
    • 細菌感染:抗菌薬の点眼
    • アレルギー性:ステロイド薬炎症を抑え、その後抗アレルギー薬(非ステロイド)の点眼
    • ドライアイ:人工涙液の点眼
  • 効果的な予防方法や再発予防
    • コンタクトレンズを適切に使用する
    • 花粉対策として、ゴーグル型の眼鏡やマスクを着用する
    • 目の洗浄を行う
  • 治りづらい病気であるため、根気強く治療を続ける必要がある
    • 市販の目薬では症状が悪化する可能性があるので注意が必要

慢性結膜炎の経過と病院探しのポイント

慢性結膜炎が心配な方

慢性結膜炎は、目(結膜)で炎症が長期間持続している状態です。一般的な結膜炎は細菌感染やウイルス感染によるものが多いのですが、それらは大抵1-2週間で治ってしまい慢性化しません。慢性的に症状が続くものはアレルギーやドライアイなど感染以外の要因によるものが多いです。
数週間以上に渡って目がごろごろしたり、目の充血やかゆみが続いている場合には、まず一度お近くの眼科クリニックを受診して診察を受けることをお勧めします。アレルギー性結膜炎にせよドライアイにせよ、眼科の中ではとてもよくある疾患ですので、大病院や専門病院でなければ診断がつけられないということはありません。

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慢性結膜炎でお困りの方

原因によって治療薬の種類は異なりますが、目薬の使用が基本的な治療です。また、清潔でない手で結膜炎が生じているところに触れると細菌感染の元となりますので、なるべくこすらないことに加え、手洗いに努めて手や指を清潔に保つようにしましょう。

花粉症などアレルギー性のものは花粉が飛散し終わるまで症状が改善しません。結膜炎そのものを治癒させるのではなく、症状を緩和させることが治療の目標となります。ドライアイならば目にうるおいを与える目薬を使用します。いずれの場合でも治療が長引くこともありますが、適切な治療を行っても改善が見られない場合には、別の病院を受診するのではなく、出来る限り最初と同じ医療機関を再診するようにしてください。「この薬の効果がなければ次はこう考える」という二の手、三の手がある中で効く可能性の高いものから順に治療を行っていきますし、最初の時点からの目の様子の変化が診断の上で重要なことが多いためです。

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