しんしんしょう
心身症
腫瘍や感染などの明らかな原因がなく、心理社会的な要素が原因でありながらも、頭痛や便秘などの身体的な症状を呈する疾患
11人の医師がチェック 85回の改訂 最終更新: 2017.06.15

心身症の基礎知識

心身症について

  • 腫瘍や感染などの明らかな原因がなく、心理社会的な要素が原因でありながらも、頭痛や便秘などの身体的な症状を呈する疾患
  • 強いストレスなどの心理的刺激を受け、これら自律神経系、内分泌系、免疫系の中枢である脳の視床下部の機能が乱れることで、体に様々な障害を引き起こす
    • 自律神経系:消化管などの内臓の働きなどをコントロールする神経
    • 内分泌系:消化液やホルモンの分泌などをコントロールする神経
    • 免疫系:外部の異物などから身体を防御する免疫をコントロールする神経
  • 20-40歳代に多いと言われている
  • 心身症になりやすいタイプは以下のとおりである
    • 自分や周りに対する要求が高く、なかなか満足しないタイプ
    • 始めると徹底的にやってしまうタイプ
    • 人や周囲にに過度に気を使ってしまうタイプ
  • 精神疾患ではなく、身体疾患であるため、扱う診療科は精神科(だけ)ではなく心療内科が中心

心身症の症状

心身症の検査・診断

  • 病歴、現症、検査所見、面接、生活史の調査、心理検査、行動観察、周囲からの情報などのデータを総合して診断する

心身症の治療法

  • 内科的治療
    • 症状ごとに対症療法を行う
  • 薬物治療:抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもある
  • ストレス軽減目的として、「筋弛緩法」「自律訓練」や「カウンセリング」「バイオフィードバック療法」「交流分析」などの心理療法などを行うことで予防をすることができる
  • 多面的な治療を行っていくと、大体のケースは半年くらいでかなり改善し、自分の力でコントロールできるようになり、あとは身体的な治療となる

心身症に関連する治療薬

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)

  • 脳内で感情などに関わるセロトニンに関わり、抗不安作用などによって心身症などの不安、抑うつ、睡眠障害などを和らげる薬
    • 心身症はストレスなどの心理的刺激により脳の視床下部の機能が乱れ、不安、抑うつ、睡眠障害など様々な症状を引き起こす
    • 脳で神経伝達物質のセロトニンが過剰に放出されると不安などを感じるようになる
    • 本剤は脳内のセロトニンが関わる過剰な神経活動などを改善し、抗不安作用をあらわす

  • 神経過敏状態での抑うつや恐怖なども和らげるとされる
セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)についてもっと詳しく

ベンゾジアゼピン系抗不安薬

  • 脳の興奮などを抑えることで不安、緊張、不眠などを改善する薬
    • 脳内のベンゾジアゼピン(BZD)受容体などが抗不安、催眠・鎮静などに関与する
    • BZD受容体が刺激を受けると脳の興奮が抑えられ抗不安作用などがあらわれる
    • 本剤はBZD受容体に結合しこの受容体を刺激する作用をあらわす

  • 筋肉の緊張を緩和する筋弛緩作用により腰痛症や緊張型頭痛などに使用する薬剤もある
ベンゾジアゼピン系抗不安薬についてもっと詳しく

植物ステロール製剤(ガンマオリザノール)

  • コレステロールや脂質の低下作用や脳内の機能改善作用により脂質異常症や心身症による症状を改善する薬
    • ガンマオリザノールは植物ステロールという物質に分類されコメ胚芽や米ぬかなどに多いポリフェノールの一種
    • ガンマオリザノールはコレステロール吸収低下作用や脂質低下作用などをもつ
    • ガンマオリザノールは脳内ノルアドレナリン量の増加作用などにより脳の機能改善作用をもつ
    • 本剤はガンマオリザノールの製剤であり脂質異常症や更年期障害、過敏性腸症候群などに使用される

植物ステロール製剤(ガンマオリザノール)についてもっと詳しく

心身症の経過と病院探しのポイント

心身症が心配な方

心身症では特に腫瘍や感染といった明らかな原因がなく、頭痛や便秘などの身体的な疾患、症状を呈することが特徴です。

強いストレスなどの心理的刺激を受け、これら自律神経系、内分泌系、免疫系の中枢である脳の視床下部の機能が乱れることで、体に様々な障害を引き起こします。

- 自律神経系:消化管などの内臓の働きなどをコントロールする神経
- 内分泌系:消化液やホルモンの分泌などをコントロールするシステム
- 免疫系:外部の異物などから身体を防御する免疫をコントロールするシステム

心身症になりやすい傾向として、自分や周りに対する要求が高いためなかなか満足しないタイプ、始めると徹底的にやってしまうタイプ、人や周囲に過度に気を使ってしまうタイプなどが言われています。

便秘の場合は消化器内科、頭痛の場合は脳神経外科など、身体の症状に合わせて診療科を選んで受診することが一般的ですが、検査の結果明らかな原因がなく、ストレスとの関連を指摘されてから心療内科や精神科を受診することが多いです。

ストレスとの強い関連はありますが、精神の疾患ではなく身体に症状が出る疾患であるため、どの診療科を受診すればよいのかわからないことも多いと思います。心身症の診断や治療は精神科や心療内科が中心となります。心身症を診断するためには症状のある臓器に対する検査が必要となる場合が多く、その場合は総合病院や専門外来のあるクリニックで検査を受けることになります。検査で異常がなく心身症であると診断された場合は、心療内科などに紹介されて治療が開始されます。

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心身症でお困りの方

心身症の場合は症状に対して身体的な原因がないため、治療は対症療法(症状を和らげる治療)となることが多いです。ストレスに反応して症状が出るためストレスの原因が解消されると共に自然治癒していくケースも多いですが、ストレス因子が取り除かれないうちに対症療法を行っていてもなかなか改善しないということがあります。

対症療法を長期間行ってもなかなか改善が見られない場合には、ストレス因子に対する対処や治療が必要になってきます。ストレスに対する対策として抗うつ薬や抗不安薬での薬物療法が行うことや、ストレス軽減目的として「筋弛緩法」「自律訓練」や「カウンセリング」「バイオフィードバック療法」「交流分析」などの心理療法などを行うことで、身体に現れる症状を改善することができます。

多方面から治療を行うことで、自分の力でストレスをコントロールできるようになり、身体症状の治療に集中できるようになります。

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