けっせつせいたはつどうみゃくえん

結節性多発動脈炎

内臓へ向かう動脈など、中等度の太さの血管の壁に炎症が起こる病気

病気に関連する診療科の病院を探す
6人の医師がチェック 89回の改訂 最終更新: 2017.09.11

結節性多発動脈炎の基礎知識

POINT結節性多発動脈炎とは

内臓へ向かう動脈など、中等度の太さの血管の壁に炎症が起こる病気です。その結果、脳梗塞、消化管出血、心筋梗塞、腎障害、皮膚潰瘍、指の壊死などが起こります。また炎症を反映して発熱や体重減少も見られます。血液検査により炎症の原因を調べたり、血管の炎症の確認のため血管造影を行います。生検といって組織の一部を取ってきて、血管に炎症が起こっているかを確認することもあります。治療薬としてはステロイド、免疫抑制薬などの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。

結節性多発動脈炎について

  • 大きな臓器へ向かう動脈など、中等度の太さの血管の壁に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こる病気
  • 炎症が起きることで、動脈の壁が破壊されたり、内側の空間が狭くなり、血流が悪くなる
  • 40~60歳、男性に多い(男女比は3:1)

結節性多発動脈炎の症状

  • 全身に起こる症状
    • 発熱(38℃以上)
    • 体重減少
    • 体のだるさ
    • 頭痛
    • 関節痛、筋肉痛
    • 筋力低下
  • 皮膚症状
    • 手足の暗赤色の湿疹
    • 押すと痛みのある赤いしこり
    • 皮膚の潰瘍臓器や粘膜が部分的にえぐれてしまっている状態。何らかの理由で壁の防御機構が壊れてしまっていることが原因となりやすい
    • 手足の指の壊死ある部位の細胞が死んでしまうこと。多くの場合、血管が詰まったり、つぶれたりして、血液が流れなくなってしまうことが原因となる
  • 消化管口から肛門までの食物の通り道で、消化、吸収を行う管の総称。胃や腸などを含む症状
    • 腹痛
    • 下血食道から肛門までの消化管からの出血が原因で、血液成分を肛門から排泄すること
    • 嘔吐 など
  • 神経症状
    • 手足のしびれ
    • 麻痺神経の障害により、手足などに十分な力が入らない、感覚が鈍くなるなど、身体機能の一部が損なわれること
  • 腎臓の障害
  • その他
    • 心臓の障害:狭心症心筋梗塞
    • 眼の症状:視力低下や失明
    • 睾丸炎:睾丸が腫れて痛くなる
    • 気管支呼吸をする際の空気の通り道の一つ。口から吸い込んだ空気は、気管と気管支を通り、肺へ至るの動脈の病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のこと

結節性多発動脈炎の検査・診断

  • 血液検査:体内で起こっている炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るの程度を調べる
  • 確定診断に必要な検査
    • 組織診病気を詳しく調べるために、体や病変の一部を切除して顕微鏡で調べる検査。例えば、腫瘍ががんか否かを調べる時などに行われる:血管を採取して、構成する組織を顕微鏡で見て血管に炎症が起きているかを調べる(フィブリノイド壊死ある部位の細胞が死んでしまうこと。多くの場合、血管が詰まったり、つぶれたりして、血液が流れなくなってしまうことが原因となるという所見検査や診察から分かる情報のことが見られる)
    • 造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること:血管に造影剤を入れて血管の形に変化がないかを調べる
  • 除外診断が必要な病気
    • 顕微鏡的多発血管炎
    • ウェゲナー肉芽腫症
    • アレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態肉芽腫体の内部で長期的に炎症が起こり、そこに免疫細胞が集まってできたしこりのこと血管炎
    • 川崎病
    • IgA血管炎(シェーンライン・ヘノッホ症候群)
    • その他の自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称

結節性多発動脈炎の治療法

  • 2段階に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを抑える治療を行う
    • 寛解導入療法:炎症を抑える治療を行う初回は、しっかりと炎症を抑える意味で多めの薬を使う
    • 寛解維持療法:寛解導入療法を行ったあとに、再度炎症が起こさない目的に薬の量を落として治療する
  • 寛解導入療法
    • ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている
      ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているを40-60mg/日くらい使用する
      ステロイドパルス3日間などの短期間に期間を限定して、高用量のステロイド薬を使用する治療法。少ない量では効果のない強い炎症にも効果のある場合がある療法と言って、短期間集中で普段よりも多い量のステロイド薬を使用することもある
    • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬
      ・シクロホスファミド点滴静注「静脈注射」の略。薬を注射や点滴で投与することを使うことが多い
  • 寛解維持療法
    • ステロイド薬
      ・ステロイドを5-10mg/日くらい使用する
    • 免疫抑制剤
      ・アザチオプリンという免疫抑制剤を使うことが多い