とうがいこつほうごうそうきゆごうしょう
頭蓋骨縫合早期癒合症
生まれたときは複数枚に分かれている頭蓋骨が、通常より早い時期にくっついてしまい、頭蓋骨の形が変形して様々な症状が現れる病気
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最終更新: 2019.02.19
頭蓋骨縫合早期癒合症の基礎知識
POINT 頭蓋骨縫合早期癒合症とは
頭蓋骨は産まれたときにはいくつかに分かれており、成長とともにくっついて完成します。この頭蓋骨の癒合が通常より早い時期に起こることを頭蓋骨縫合早期癒合症と言います。頭蓋骨は複数個の骨からできているので、早期癒合する箇所によって種類が分かれます。頭痛や嘔吐、眼球突出、外斜視、知能の遅れなどが主な症状です。視診や画像検査などによって診断が行われます。症状の改善を目的として頭蓋骨を広げたりする手術を行います。適切な時期で手術を行えば、知能への影響は少ないと考えられています。頭蓋骨縫合早期癒合症が心配な人は脳神経外科を受診してください。
頭蓋骨縫合早期癒合症について
- 生まれたときは複数枚に分かれている頭蓋骨が、通常より早い時期にくっついてしまい、頭蓋骨の形が変形して様々な
症状 が現れる病気- 頭蓋骨は何枚かの板状の骨からできており、そのつなぎ目を「
縫合 線」と呼ぶ - 成長に伴って頭蓋骨は徐々にくっつくが、通常よりも早い時期に縫合線がくっついてしまう状態をいう
- 頭蓋骨は何枚かの板状の骨からできており、そのつなぎ目を「
- 10万人に1人程度の頻度で起こる
- 早期癒合する箇所によって、種類が分かれる
- 舟状頭:矢状縫合の早期癒合
- 短頭:両側の冠状縫合の早期癒合
- 三角頭:前頭縫合の早期癒合
- 斜頭:片方の冠状縫合や人字縫合の早期癒合
- 尖頭(塔状頭):複数の早期癒合
- クローバーリーフ頭蓋:複数の早期癒合
- クルーゾン症候群やアペール症候群など、頭蓋骨縫合早期癒合症に、顔面や手足の先天異常を
合併 する病気もある
頭蓋骨縫合早期癒合症の症状
頭蓋骨縫合早期癒合症の検査・診断
- 視診:頭蓋骨や顔の状態を調べる
- 画像検査:水頭症や、その他の脳の形態異常などがないか調べる
- 頭部
レントゲン (X線 写真)検査 頭部CT検査
- 頭部
頭蓋骨縫合早期癒合症の治療法
- 以下のような目的で、治療が行われる
頭蓋内圧 亢進症状 の改善- 顔面の機能障害の改善
- 見た目の問題の改善
- 手術
- 頭蓋
骨切り術 :早く癒合した骨縫合 を除去する - 骨延長術:頭蓋骨を拡げることで、中の高い圧力を逃がす
- 頭蓋
- 軽症の場合には、ヘルメット着用などの
保存的治療 を行うこともある - 適切な時期に手術を行えば、知能への影響は少ない
- 1箇所のみの早期癒合では、ほとんどの場合は生命に影響はない