はいしんきんしょう
肺真菌症
肺が真菌(カビ)に感染する病気のこと
4人の医師がチェック 78回の改訂 最終更新: 2017.11.29

肺真菌症の基礎知識

POINT 肺真菌症とは

真菌(カビ)による肺の感染症のことです。アスペルギルスやクリプトコックスなどの真菌が原因微生物となることが多いです。本来カビは環境中や人体に常在しており、存在するからといって必ずしも感染を起こすわけではありません。しかし、免疫力が落ちている場合は感染が起こりやすいことが分かっています。発熱・咳・痰・喀血といった症状が出ることが多いです。 診断をつけるためには痰などを使って真菌培養検査を行います。また、補助診断として血液検査や画像検査、気管支鏡検査を行うこともあります。治療は抗真菌薬を用いますが、この薬は使い方が少し難しい場合があります。そのため、専門的な治療のできる感染症内科や呼吸器内科にかかるようにして下さい。

肺真菌症について

  • 肺が真菌(かび)に感染する病気のこと
  • 免疫力の低下(特に白血球の中の好中球という血球が減少した場合)すると、真菌が肺に感染しやすくなる
  • 肺真菌症には、肺アスペルギルス症、肺クリプトコックス症、肺カンジダ症などの病気が含まれる

肺真菌症の症状

  • 発熱
  • 症状が進行した場合は喀血
  • 息苦しさ
  • 全身のだるさ

肺真菌症の検査・診断

  • 細菌検査:血液や痰の中に細菌(ここではカビ)が含まれていないかなどを調べる
  • 血液検査:炎症が起こっていないか、カビの反応が出ないかなどを調べる
  • 血液培養検査:血液中に真菌が侵入していないかを調べる
  • 画像検査
    • 胸部レントゲンX線)検査
    • 胸部CT検査
  • 気管支鏡検査:真菌に感染しているかを内視鏡を使って調べる
    • 画像検査で真菌に感染していそうな部位を特定し、内視鏡で直接調べる
    • 口から小さなカメラを入れて気管支や肺の検査を行う

肺真菌症の治療法

  • 薬物療法:抗真菌薬の内服か点滴
    • 真菌による肺の感染が重症の場合は真菌薬の点滴をすることも多い
      ・血液から真菌が検出される場合
      ・飲み薬が効かない場合
      血痰が止まらない場合
      ・内服の抗真菌薬が効かない(耐性)の場合
  • 膿瘍を形成している場合や大きな空洞を形成している場合は手術が必要になることも多い
  • 菌の勢いが乏しく、抗真菌薬を使用する負担のデメリットが、治療のメリットよりも大きい場合もしばしばあり、その場合には様子見のみを行う

肺真菌症に関連する治療薬

トリアゾール系抗真菌薬(内服薬・注射薬)

  • 真菌(カビ)の細胞膜の合成を阻害し、白癬症やカンジダ症などの真菌感染症を治療する薬
    • 白癬症やカンジダ症などの真菌感染症は、真菌の感染により引き起こされる病気で特に免疫力の低下している場合などでは感染がおこりやすい
    • 真菌は細胞膜により覆われていて、この細胞膜がないと生存できない
    • 本剤は真菌の細胞膜合成を阻害し抗真菌作用をあらわす
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