あれるぎーせいきかんしはいあすぺるぎるすしょう
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
気管支や肺に感染したアスペルギルス(真菌の一種)に、アレルギー反応が起きた状態。喘息のような症状がでる。
6人の医師がチェック 162回の改訂 最終更新: 2017.12.06

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の基礎知識

POINT アレルギー性気管支肺アスペルギルス症とは

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は肺や気管の中に存在するアスペルギルスという真菌(カビ)に対してアレルギーの起こった病気です。気管支喘息と同じ症状が出ることが特徴です。主な症状は喘鳴(息を吐くとヒューヒュー音がする)・咳・痰・発熱・だるさ・息切れなどになります。 症状や血液検査や画像検査、細菌検査を用いて診断します。必要に応じて気管支鏡検査を行います。治療はステロイド薬を用いて行いますが、なかなか治らない場合は抗真菌薬を用いる場合もあります。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科を受診して下さい。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症について

  • アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は気管支や肺に感染したアスペルギルスという真菌(カビ)により、アレルギー反応が起きた状態
    • もともと肺の病気を持っている患者に起こりやすい
  • 頻度
    • 喘息を持っている患者に起こりやすい
    • 喘息患者の約1-2%に起こる
  • まれにほかの真菌が原因になって同様の病態を起こすことがある(正確にはこれらはアレルギー性気管支肺アスペルギルス症ではなくアレルギー性気管支肺真菌症である)
    • スエヒロタケ
    • ペニシリウム(抗菌薬のペニシリンを作り出した青カビ)  など

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の症状

  • 喘息のような症状に加えて、感染症状(発熱など)などが起こる
    • 喘息のような症状
      喘鳴(息を吐く時にゼーゼー、ヒューヒューなること)
      ・咳
    • その他の症状
      ・痰
       ・血の混じった痰
       ・緑色の痰
       ・固まった痰
      ・発熱
      ・だるさ
      ・運動能力の低下
  • 喘息の悪化と区別がつきにくい

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の検査・診断

  • 血液検査
    • アレルギー反応の有無を確認(好酸球、IgE)
    • アスペルギルスに対する抗体をチェック
  • 細菌検査
    • 痰を培養してアスペルギルスがいるかどうか確認する
    • 痰の中に見つからない場合には気管支鏡検査を行うこともある
  • 画像検査:肺に炎症が起こっているかなどを調べる
    • 胸部レントゲンX線写真)検査
    • 胸部CT検査
  • 以上の検査結果と症状を踏まえて、下記のRosenbergの診断基準に照らし合わせて診断
    • 一次基準
      気管支喘息が見られる
      ・末梢血液中の好酸球が増えている
      ・アスペルギルス抗原に対する即時型皮膚反応が陽性(実際には行わないことが多い)
      ・アスペルギルス抗原に対する沈降抗体が陽性
      ・血清IgE濃度が上昇している(1,000ng/mL以上)
      胸部X線で肺浸潤影が見られるor見られた
      ・中枢性気管支拡張がある
    • 二次所見
      ・喀痰の塗抹検査や培養検査でアスペルギルス属の真菌が繰り返し見られる
      ・褐色栓子が口から出てくることがある
      ・アスペルギルスGM抗原に対するArthus型反応(遅発性皮膚反応)が見られる
    • 「7つの一次所見が全て見られた場合」や「7つのうち6つの一次所見が見られた上に二次所見が見られた場合」にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断する
      気管支喘息の見られないアレルギー性気管支肺アスペルギルス症も存在することから、この診断基準はもらしがあることに注意が必要

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の治療法

  • アスペルギルスに対するアレルギー反応が原因の病気なので、菌を倒す治療よりもアレルギーを抑える治療を主に行う
    • ステロイド薬の長期治療が原則
    • 状態によっては抗真菌薬(イトラコナゾールあるいはボリコナゾール)を使う
    • 治療中は常に喘息の治療、ステロイド薬の副作用コントロールも同時に必要
  • 長期的に肺機能を悪化させる場合があり、ステロイド薬の治療と再発の監視を確実に続けることが重要

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症が含まれる病気

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