しんしゅうせいはいあすぺるぎるすしょう
侵襲性肺アスペルギルス症
真菌(カビ)の一種であるアスペルギルスが原因となる感染症のうち、進行が急激で致死的になりうる呼吸不全を来たすもの
4人の医師がチェック 37回の改訂 最終更新: 2017.12.08

侵襲性肺アスペルギルス症の基礎知識

POINT 侵襲性肺アスペルギルス症とは

アスペルギルスという真菌(カビ)が肺に起こす感染症の中でも特に進行が早い病気です。背景に白血球の一種である好中球の問題がある場合に起こりやすいです。主な症状は熱・咳・血痰・喀血・呼吸困難感・胸痛などです。 血液検査・細菌検査・画像検査などから診断します。必要に応じて気管支鏡検査を行うこともしばしばあります。治療には抗真菌薬を用います。侵襲性肺アスペルギルス症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科や感染症内科を受診して下さい。

侵襲性肺アスペルギルス症について

  • 真菌の一種であるアスペルギルスが原因となる感染症のうち、進行が急性で致死的になりうる呼吸不全を来たすもの
    • アスペルギルス自体は珍しい菌ではなく、自然界に広く存在する
    • 何らかの原因で免疫力が落ちてしまい、アスペルギルスが急速に感染を起こす
  • 主な原因
    • 好中球白血球のうちの一成分)が減少している人に多い
      ・血液の悪性腫瘍白血病やリンパ腫など)の抗がん化学療法
      ・その他の細胞傷害性の強い抗がん化学療法   など
    • 好中球減少以外の免疫抑制状態で生じることもある
      ・長期にわたる大量のステロイド薬の使用
      ・臓器移植の際に用いられる免疫抑制剤   など
    • 発症する場合はベースに免疫抑制状態や肺疾患などがあるため、難治性のことが多い

侵襲性肺アスペルギルス症の症状

  • 主な症状
    • 発熱
    • 血の混じった痰
    • 喀血
    • 呼吸困難
    • 胸痛   など

侵襲性肺アスペルギルス症の検査・診断

  • 血液検査
    • 血液中の、アスペルギルス抗原や、β-D-グルカン(真菌感染の有無の指標)を測定する
  • 細菌検査
    • 喀痰の培養
    • 検査を行うのに必要な痰がとれない場合には、気管支鏡検査で痰を採取することがある
  • 画像検査
    • 胸部レントゲンX線写真)検査
    • CT検査
  • 気管支鏡検査
    • 病変部位に直接アプローチすることで、正確な診断につながる

侵襲性肺アスペルギルス症の治療法

  • 治療を行わないと急速に進行し死亡する可能性が非常に高い
  • 真菌薬(ボリコナゾール、L-アムホテリシンB、カスポファンギンなど)を使用する
    • ボリコナゾールとL-アムホテリシンBの治療成績が高いことが分かっている
  • 最低でも6週間から12週間、時に年単位での治療継続が必要になる

侵襲性肺アスペルギルス症が含まれる病気

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