じょうわんこつらせんこっせつ(とうきゅうこっせつ)
上腕骨螺旋骨折(投球骨折)
投球動作などによって、上腕骨(二の腕の骨)がらせん状に骨折すること
5人の医師がチェック 116回の改訂 最終更新: 2022.03.11

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)の基礎知識

POINT 上腕骨螺旋骨折(投球骨折)とは

投球動作などによって上腕骨(二の腕)がらせん状に骨折することです。無茶な投球フォームによって起こるとされており、適切な指導を受けていない選手に多いとされます。基本的には保存療法(安静・固定・鎮痛薬)によって治る見込みがありますが、手のメインの神経の1つである撓骨神経麻痺を合併している場合は手術が必要です。上腕骨螺旋骨折が心配な人は整形外科を受診してください。

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)について

  • ボールの投球動作などによって、上腕骨(二の腕の骨)がらせん状に折れる外傷
    • ある程度以上の筋力があり、投球フォームが悪いことが原因で起こる
    • プロの選手よりも、適切な指導を受けていないアマチュア野球の選手に多い
  • 腕相撲でも起こりうるので注意が必要

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)の症状

  • 上腕骨の痛みが前もって見られることもあるが、突然起きることも多々ある
  • 投球動作と同時に「ボキッ」という骨折の音が聞こえ、腕が変形して動かすことができなくなる
  • 骨折した場合、上腕骨の変形、内出血による腫れが出る

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)の検査・診断

  • レントゲン検査:らせん状に入った骨折線の有無を調べる

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)の治療法

  • 基本的に保存療法を行う
    • ギプスによる固定
    • プラスティック装具を用い、肘などは早期から動かす
  • 橈骨神経麻痺合併している場合や徒手整復が難しそうな場合は、手術を行う
  • 投球フォームの見直し、準備体操をしっかり行うことで予防することができる

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)の経過と病院探しのポイント

上腕骨螺旋骨折(投球骨折)が心配な方

上腕骨螺旋骨折投球骨折)は、上腕(肩と肘の間)に起きる骨折で、野球のピッチャーが負担のかかるフォームで投球を繰り返している場合や、腕相撲で瞬間的に強い力が加わった場合に発症しやすい骨折です。骨折した瞬間に、骨の音が聞こえるようなこともあります。

打撲などの外傷で起こる場合もなくはありませんが、そのような怪我で起こる場合は螺旋骨折(骨がねじれるように斜めに折れる骨折)ではなく、比較的まっすぐに骨折線が入ることが多いです。

ご自身の症状が上腕骨の骨折でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。打撲や筋断裂肉離れ)であればクリニックで対応が可能です。上腕骨螺旋骨折で手術が必要そうな場合には、レントゲンやその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書(紹介状)とともに、手術可能な病院を紹介してくれます。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。

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上腕骨螺旋骨折(投球骨折)でお困りの方

上腕骨螺旋骨折の場合、軽度の骨折であれば手術をせずにギプスで固定して治すこともあります。骨折に伴う骨のねじれやずれが大きい場合や、重要な神経、血管が傷ついている場合には手術も検討されます。上腕骨螺旋骨折は、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ないかもしれません。

手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。

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