ようしん、すとろふるす
痒疹、ストロフルス
強いかゆみのある丘疹(皮膚にできるポツポツ)ができる病気。虫さされから内臓の病気まで様々な原因で起こる
6人の医師がチェック 85回の改訂 最終更新: 2023.07.30

痒疹、ストロフルスの基礎知識

POINT 痒疹、ストロフルスとは

強いかゆみのある丘疹(直径1cm以下の皮膚の盛り上がり)ができる病気です。原因は多様で、虫刺されや糖尿病、妊娠などです。 かゆみが強く、ひっかくことによって症状が悪化して蕁麻疹のような腫れができます。視診(見た目を観察することによる診察)によって診断が行われ、診断が難しい場合には、組織診断(病気の一部をきりとり顕微鏡でみる検査)が行われます。ステロイドが含まれた塗り薬や抗ヒスタミン作用のある飲み薬が治療に使われ、紫外線療法が行われることもあります。痒疹はかゆみが強くなければ様子をみることもできる病気ですが、症状が強い場合は皮膚科を受診してください。

痒疹、ストロフルスについて

  • 強いかゆみのある丘疹(皮膚にできるポツポツ)ができる病気
    • 虫さされから内臓の病気までさまざまな原因で起こる
    • 一種のアレルギー反応と考えられる
  • 原因は不明だが、以下との関連が考えられている
    • 虫刺され
    • 糖尿病
    • 胃腸障害
    • 肝臓病
    • 血液疾患
  • アトピー性皮膚炎の患者で多くみられる
  • 主に慢性と急性の2つに分けられる
    • 急性:1週間程度で治る(5歳以下の子どもに多い)
    • 慢性:何か月も治らず茶色の硬いイボのようになるもの

痒疹、ストロフルスの症状

  • かゆみを伴う、皮膚の赤い盛り上がりが全身にできる
  • ひっかくことによる症状の悪化
  • 蕁麻疹のような腫れができる

痒疹、ストロフルスの検査・診断

  • 血液検査:炎症の有無を調べる
  • 組織診発疹の一部を切りとって顕微鏡で調べる
  • 詳しい検査をしても原因不明なこともある

痒疹、ストロフルスの治療法

  • 主な治療
    • 薬物療法
      • ステロイド外用剤(炎症を抑える塗り薬)
      • ヒスタミン薬(かゆみを抑える飲み薬)
      • デュピルマブ(なかなか治らない場合に使う薬)
    • 紫外線療法:体中にある場合
  • 引っかくことによって症状が悪化するため、注意が必要
  • 2-10日ほどで色素沈着を残して治癒することが多い
    • イボが残る場合は液体窒素で凍結療法を行う

痒疹、ストロフルスに関連する治療薬

抗ヒスタミン薬(外用塗布剤)

  • 体内物質ヒスタミンの働きを抑えることで、痒みや赤みなどの皮膚症状を和らげる薬
    • 湿疹は様々な要因により体内のアレルギー反応を引き起こす物質により、皮膚の痒みや赤みなどが生じる
    • 体内のアレルギー反応を引き起こす物質にヒスタミンがある
    • 本剤は抗ヒスタミン作用をあらわす成分を含む外用塗布薬
  • 本剤に使われる主な成分にジフェンヒドラミンがある
抗ヒスタミン薬(外用塗布剤)についてもっと詳しく

抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤・貼付剤)

  • 神経伝達物質ヒスタミンの働きを抑えることでアレルギー反応を抑え蕁麻疹、花粉症、喘息などによる、皮膚の腫れや痒み、鼻炎(くしゃみや鼻みずなど)、咳などの症状を改善する薬
    • 蕁麻疹、皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息などでは何らかの原因によって体内でアレルギー反応が起こり症状があらわれる
    • 神経伝達物質のヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす体内物質のひとつ
    • 本剤はヒスタミンの働きを抑える作用(抗ヒスタミン作用)をあらわす
  • 抗ヒスタミン作用に加え、ほかの作用によってもアレルギー反応を抑える薬剤もある
抗ヒスタミン薬(内服薬・注射剤・貼付剤)についてもっと詳しく

グリチルリチン製剤

  • グリチルリチン酸の効果により、肝臓の働きを改善したり皮膚の炎症などを抑える薬
    • グリチルリチン酸は生薬の甘草(カンゾウ)などに含まれる成分
    • グリチルリチン酸は体内で様々な作用をあらわす
    • グリチルリチン酸には、抗炎症作用、免疫調節作用、肝細胞増殖作用などがあるとされる
グリチルリチン製剤についてもっと詳しく

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