しんきんせいがんないえん
真菌性眼内炎
真菌(カビ)に感染することで、眼が炎症を起こしている状態。失明などにつながる病気
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最終更新: 2021.03.01
真菌性眼内炎の基礎知識
POINT 真菌性眼内炎とは
真菌(カビ)に感染することで、眼が炎症を起こす病気です。真菌の中でもカンジダの感染が起こることが多く、眼だけでなく血流にも感染が起こっていることが多いので注意が必要です。目の手術を受けたことのある人や免疫力が低下している人に起こりやすいです。主な症状は視力の低下・目の充血・目の痛みなどですが、進行すると失明することがあります。 背景や症状から診断することも少なくないですが、診断の確定が必要な場合には目の中にある液体(硝子体液)を採取して真菌の有無を調べる検査を行います。治療は抗真菌薬の点滴を用いますが、重症の場合は目の手術を行うことがあります。真菌性眼内炎が心配な人や治療したい人は、眼科や感染症内科を受診してください。
真菌性眼内炎について
真菌 (カビ)に感染することで、眼が炎症 を起こしている状態- 治療を適切に行っても
失明 することがある
- 治療を適切に行っても
- 背景として、真菌が血液中に混入し、真菌血症を起こしていることが多い
免疫 力が低下している人に起こりやすい(以下はその例)抗がん剤 の治療を受けている人- 糖尿病の
血糖 コントロールの悪い人 - 高齢者
- 点滴カテーテル(特に中心静脈カテーテル)を長期的に留置されている人
- 病気の知識
- 抗がん剤や免疫を抑える治療を受けている人の場合、発見が遅れて失明することがある
- 目の手術後に起こることもある
- 健康な人や目の手術を受けたことのない人が感染することはほとんどない
真菌性眼内炎の症状
- 初期症状
飛蚊症 - 視力の低下
- 目の充血
- 目の痛み
- 病気が進むと
失明 することもある
真菌性眼内炎の検査・診断
- 顕微鏡検査:目の中にある液体(硝子体液)を採取して、病原体の種類を調べる
真菌性眼内炎の治療法
- 主な治療法は薬物療法
- 抗
真菌 薬:病原体(真菌)を倒す - 抗真菌薬は大きく分けると3系統あり、各々で有効な真菌の種類と眼への移行性が異なるため使い分けが必要である
- アゾール系:フルコナゾールは眼への移行性が良いが有効な真菌が少ない
- キャンディン系:眼への移行性が良くない
- ポリエンマクロライド系:眼への移行性が良くない
- 抗
- 場合によっては手術を行うこともある
- 硝子体手術:眼球の中にある硝子体(透明なゼリー状の組織)を取り除く
- 長期的な経過
- 治療を行っても視力が回復しない場合もある