ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう
副甲状腺機能亢進症
何らかの原因により副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、高カルシウム血症や低リン血症、腎障害などをきたす病気
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最終更新: 2026.01.15
副甲状腺機能亢進症の基礎知識
POINT 副甲状腺機能亢進症とは
副甲状腺ホルモンが過剰に分泌された状態のことです。副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、骨吸収・腎臓でのカルシウム再吸収・腸管でのカルシウムの吸収が亢進され、血液中のカルシウム濃度が上昇します。副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺の病気が原因の場合(原発性副甲状腺機能亢進症)と副甲状腺以外の病気が原因の場合(二次性副甲状腺機能亢進症)の2つに分けられます。副甲状腺機能亢進症の影響によって骨が脆くなったり、尿路結石、胃潰瘍などが起こります。また血液中のカルシウムが高くなると、のどの渇きや胸焼け、吐き気、食欲の低下などの症状も現れます。疑われた人には画像検査や血液検査、尿検査などで詳しく調べます。手術や薬物療法で治療します。副甲状腺機能亢進症が心配な人は内分泌内科を受診してください。
副甲状腺機能亢進症について
副甲状腺機能亢進症の症状
副甲状腺機能亢進症の検査・診断
- 血液検査:
腎機能 や血液中のCa(カルシウム)やP(リン)、PTH(副甲状腺ホルモン )の測定する - 尿検査:尿中のカルシウムの量を調べる
- 画像検査:副
甲状腺 に腫瘍 がないかを調べる超音波検査 - 頚部
CT 検査 シンチグラフィ :副甲状腺の活動している度合いを調べるレントゲン 検査:骨折がないかを調べる
- 骨量検査:骨の硬さを調べる
副甲状腺機能亢進症の治療法
- 主な治療について
- 治療法は
原発性 か続発性 かで変わってくる- 原発性副甲状腺機能亢進症
- 根本的に治す方法は手術だが、必要ではないケースもあるので、メリットとデメリットを吟味した上で決めるのが望ましい
- 手術:副
甲状腺 の摘出 - 経皮的エタノール注入療法(PEIT):超音波による画像をみながらエタノールを注入し、その部位の細胞を直接
壊死 させる - 薬物療法:ビスホスホネートなど
- 続発性(
二次性 )副甲状腺機能亢進症- 原発性副甲状腺機能亢進症と違い、薬物療法が中心になる
- 薬物療法:リンの排泄を促したり、PTHの分泌を抑制する
- 活性型
ビタミンD 製剤 - リン吸着薬
- カルシメティックス(シナカルセト・エボカルセト・ウパシカルセトなど)
- 活性型
- 手術
- 経皮的エタノール注入療法
- 長期的な経過
- 検査値に異常があってもすぐには症状が現れないが、ゆっくり進行するので、定期的に検査を行う必要がある
副甲状腺機能亢進症に関連する治療薬
活性型ビタミンD3製剤
- 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
- 骨粗しょう症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れ骨がもろくなってしまう
- ビタミンDは腎臓で活性型ビタミンD3へと変換され、小腸からのカルシウム吸収を促進させ骨量の減少を抑える
- 本剤は体内で活性型ビタミンD3とほぼ同様の作用をあらわす
- 続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使用する薬剤もある
カルシウム受容体作動薬(副甲状腺機能亢進症治療薬)
- カルシウム受容体へ作用(受容体を活性化)することで腎機能低下によって引き起こされる副甲状腺機能亢進症などを改善する薬
- 腎機能が低下している状態では血液中のリン濃度が高くなることなどにより血液中のカルシウム濃度が低下する
- 血液中のカルシウム濃度が低下すると副甲状腺ホルモンの過剰な分泌が引き起こされる
- 本剤は副甲状腺細胞の制御に関わるカルシウム受容体へ作用し副甲状腺ホルモンの過剰分泌を抑える
- 薬剤によっては、副甲状腺がんなどによる高カルシウム血症の改善に使われる場合もある