ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう
副甲状腺機能亢進症
何らかの原因により副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、高カルシウム血症や低リン血症、腎障害などをきたす病気
8人の医師がチェック 81回の改訂 最終更新: 2021.10.01

副甲状腺機能亢進症の基礎知識

POINT 副甲状腺機能亢進症とは

副甲状腺ホルモンが過剰に分泌された状態のことです。副甲状腺の病気が原因の場合(原発性副甲状腺機能亢進症)と副甲状腺以外の病気が原因の場合(二次性副甲状腺機能亢進症)の2つに分けられます。副甲状腺機能亢進症の影響によって骨が脆くなることや尿路結石、胃潰瘍などが起こります。また血液中のカルシウムが高くなると、のどの渇きや胸焼け、吐き気、食欲の低下などの症状が現れます。画像検査や血液検査、尿検査を行い詳しく調べます。手術やホルモンの分泌を抑える薬、ビタミンD3などを使って治療を行います。副甲状腺機能亢進症が心配な人は内分泌内科を受診してください。

副甲状腺機能亢進症について

  • 何らかの原因により副甲状腺ホルモンが過剰に分泌された状態
  • 以下の二種類に分類される
    • 原発性副甲状腺機能亢進症:副甲状腺の病気が原因
    • 続発性二次性)副甲状腺機能亢進症:副甲状腺以外の病気が原因
      • 慢性腎不全
      • ビタミンD欠乏症   など

副甲状腺機能亢進症の症状

副甲状腺機能亢進症の検査・診断

  • 血液検査:腎機能や血液中のカルシウムの量、副甲状腺ホルモン値を調べる
  • 尿検査:尿中のカルシウムの量を調べる
  • 画像検査:副甲状腺腫瘍がないかを調べる
  • 超音波検査
  • 頚部CT検査
  • シンチグラフィ:副甲状腺の活動している度合いを調べる
  • レントゲン検査:骨折がないかを調べる
  • 骨量検査:骨の硬さを調べる

副甲状腺機能亢進症の治療法

  • 主な治療
    • 原発性副甲状腺機能亢進症
      • 手術:副甲状腺の摘出
      • 経皮的エタノール注入療法(PEIT)
      • 超音波による画像をみながらエタノールを注入し、その部位の細胞を直接壊死させる
      • ビスホスホネート:骨の吸収を抑えて骨粗しょう症を防ぐ
    • 続発性二次性)副甲状腺機能亢進症
      • 手術
      • ビタミンD3注入療法
      • 経皮的エタノール注入療法
      • シナカルセト:副甲状腺ホルモンの分泌を抑える
      • ウパシカルセト:副甲状腺ホルモンの分泌を抑える
  • 長期的な経過
    • 検査値に異常があってもすぐには症状が現れないが、ゆっくり進行する

副甲状腺機能亢進症に関連する治療薬

活性型ビタミンD3製剤

  • 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
    • 骨粗しょう症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れ骨がもろくなってしまう
    • ビタミンDは活性型ビタミンD3となると、小腸からのカルシウムの吸収を促進させ骨量の減少を抑える
    • 本剤は体内で活性型ビタミンD3とほぼ同様の作用をあらわす
  • 続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使用する薬剤もある
活性型ビタミンD3製剤についてもっと詳しく

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