まろりーわいすしょうこうぐん
マロリーワイス症候群
繰り返す激しい嘔吐のために食道に圧が加わり、食道と胃の中間付近の粘膜が破れて出血する病気
11人の医師がチェック 127回の改訂 最終更新: 2017.08.04

マロリーワイス症候群の基礎知識

POINT マロリーワイス症候群とは

マロリーワイス症候群は、繰り返す激しい嘔吐のために食道に圧が加わり、食道と胃の中間付近の粘膜が破れて出血する病気です。飲酒による激しい嘔吐のあとに起こることが多いですが、船酔い・食中毒・つわりなどで起こることもあります。主な症状は吐血・黒色便・立ちくらみなどになります。痛みを感じる場合は食道が破れている状態(特発性食道破裂、Boerhaave症候群)の可能性があるため医療機関に必ずかかって下さい。 症状や身体診察に加えて、食道造影検査や内視鏡検査を用いて診断します。治療は特に必要なく殆どの場合に自然治癒します。マロリーワイス症候群が心配な人や治療したい人は、消化器内科・内視鏡科・総合内科などを受診して下さい。

マロリーワイス症候群について

  • 繰り返す激しい嘔吐のために食道に圧が加わり、食道の粘膜が破れて出血する病気
    • 食道と胃の中間付近の粘膜が破れることが多い
  • 主な原因
    • 飲酒による嘔吐が関与する割合がおよそ半数と報告されており、飲酒後に生じることが多い
    • 飲酒以外の原因
      食中毒乗り物酔い妊娠悪阻(にんしんおそ;つわりのこと)などがある
  • 男性に多い(男性:女性=8-11:1)
    • 年齢は平均で45-50歳と報告されているが、子どもでも起こったというの報告もある

マロリーワイス症候群の症状

  • 主な症状
    • 繰り返す嘔吐後の吐血
    • 下血(真っ黒で異常な色の便)
    • みぞおち付近の痛み
    • 立ちくらみ
    • 痛みはないを感じないことが多い
      ・痛みを伴う場合は、 特発性食道破裂(Boerhaave症候群)というより重症な疾患の可能性がある

マロリーワイス症候群の検査・診断

  • 血液検査
    • 貧血になっていないか、他の病気でないかを調べる
    • 特にC型肝炎でも食道から出血しやすいので、肝炎のチェックも同時に行うことが多い
  • 胃カメラ
    • 食道と胃の状態を調べる
    • これで診断が確定する
    • 胃カメラでそのまま出血を止める治療を行えることもあるが、マロリーワイス症候群であれば自然治癒を待つことが多い
  • 食道破裂食道穿孔が疑われる場合は、胸部レントゲン胸部CT検査で食道の周りに空気が漏れていないかを確認する(縦隔気腫の確認)

マロリーワイス症候群の治療法

  • 基本的な治療方針
    • ほとんどの場合は、特別な治療を必要としない
    • 吐血するのも一度のみで、そのまま自然に止血される(鼻血などと同じようなイメージ)
  • 主な治療
    • 内視鏡を使って検査とあわせて行う治療
      ・強い出血が確認された場合は、ただちに止血処置を行う
      ・出血している場所をクリップでつまむ方法や、血管を電気で焼き焦がすことで止血する方法がある
    • 輸血
      ・あまりに出血が多い場合には、まれに輸血が必要となることもある
  • その後の治療
    • 出血部の傷が深い場合には、入院の上で数日間食事を止めて食道粘膜が治るのを待つ
    • その間は胃薬などを使用しながら点滴で水分と栄養を補給する

マロリーワイス症候群の経過と病院探しのポイント

マロリーワイス症候群が心配な方

マロリーワイス症候群は、食道の粘膜が破れて出血した状態です。アルコール摂取後に嘔吐を繰り返した場合に生じやすく、血を吐いたとびっくりして救急外来を受診する方が多いです。嘔吐の瞬間には食道の内側に強い圧力がかかるため、それで食道の粘膜が避けてしまうことが原因となります。

マロリーワイス症候群は、軽症のものであれば自然に治る疾患です。例えば鼻をかむときには鼻の内側に強い圧力がかかりますから、鼻のかみすぎで鼻血が出てしまうことがありますし、下痢のし過ぎで直腸の粘膜が切れて切れ痔になって血便が出ることもあります。これと同じように、粘膜が避けてしまったが自然止血するもの、というのが軽症のマロリーワイス症候群です。

極まれに、毛細血管ではなくもう一段階太めの血管が切れてしまって大量出血につながる場合がありますので、嘔吐に少量の血が混ざったというのではなく、血液そのものを吐いたというような場合には注意が必要です。受診の際には消化器内科、もしくは救急科が良いでしょう。

マロリーワイス症候群については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、途中で病院を変更したり、またはどのような治療を受けるか迷ったりする余地は少ない病気です。

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