こうくうがん
口腔がん
口の中にできる悪性腫瘍(がん)の総称。舌にできる舌がんが一番多い
7人の医師がチェック 125回の改訂 最終更新: 2021.11.28

口腔がんの基礎知識

POINT 口腔がんとは

口腔は口の中全体のことを指し、口の中にできるがんの総称が口腔がんです。口腔がんには舌がんや歯肉がん、頬粘膜がん(ほほの粘膜のがん)などがあり、舌にできる舌がんが最も多いです。口腔がんの主な症状は痛みやしこり、腫れです。視診(見た目の診察)で口腔がんが疑われる人には、組織診(腫瘍の一部を取り出して顕微鏡でみる検査)によって診断が行われ、がんの広がりをみるためにCT検査、MRI検査などが行われます。 手術や放射線、抗がん剤が有効で、自分の病状に適したものが選ばれます。口の中のできものやしこり、口内炎が長く残っている人は口腔がんの可能性があります。口腔外科や耳鼻咽喉科、頭頸部外科などで詳しく調べてもらってください。

口腔がんについて

  • 口の中全体を口腔といい、ここにできるがんを総じて口腔がんと呼ぶ
  • 口腔がんの主な原因
    • 喫煙
    • 飲酒
    • 口内の不衛生
  • 口腔がんはがんができる場所によって分類される
    • 舌がん
    • 歯肉がん
    • 口腔底がん
    • 頬粘膜がん(きょうねんまくがん)
    • 口蓋がん(こうがいがん)
    • 口唇がん
  • 舌がんが最も多く、次に歯肉がんが多い

口腔がんの症状

  • 主な症状
    • 口腔の痛み
    • しこり
    • 腫れ
    • ただれ
    • 口内炎
    • 出血
    • 歯のぐらつき
    • 口臭
  • 病気の説明
    • 初期には自覚症状が少ないため、注意が必要
    • 症状が改善せずに長く続く場合には診察を受けるほうが良い

口腔がんの検査・診断

  • 診察で口腔がんを疑う
    • 口腔白板症(白色の病変)はがん化の可能性がある前がん病変といわれている
  • 画像検査
    • 口腔内に腫瘍がないか、また腫瘍の広がりなどを調べる
    • レントゲンX線)検査
    • CT検査
    • MRI検査
    • PET検査
  • 組織診
    • 異常が見られる部分の一部を採取し、がん細胞が含まれるかどうかを調べる

口腔がんの治療法

  • 基本的な治療方針
    • がんができる場所によって治療が異なるが、基本的に手術が第一に選択される
    • 術後再発のリスクが高い場合には、手術後の化学療法を行う
  • 手術以外の主な治療
    • 手術ができない進行口腔がん
      • 化学療法(シスプラチンなど)+放射線療法が有効
    • 手術後に以下の症状が出た場合はリハビリテーションが必要
      • 嚥下障害(飲み込みづらい)
      • 構音障害(話しづらい)
  • 長期的な経過
    • 病気の進行具合や治療の効果によって異なるが、5年生存率は概ね60-80%程度

口腔がんが含まれる病気

口腔がんのタグ

口腔がんに関わるからだの部位