2015.06.24 | ニュース

睡眠時間と糖尿病の関係、20年以上の生活習慣調査から見えた傾向

ヨーロッパのデータから

from Diabetes care

睡眠時間と糖尿病の関係、20年以上の生活習慣調査から見えた傾向の写真

睡眠時間は糖尿病の発症しやすさと関係していると言われています。ヨーロッパの研究班が、長年のうちに睡眠時間の変化があると糖尿病発症に影響があるかどうかを調べるため、対象者を20年以上にわたって追跡調査した結果を解析したところ、1日の睡眠時間が2時間以上短く変わった人では、糖尿病の発症が多くなっていました。

◆ヨーロッパ1985年から2009年の変化

研究班は、1985年から2009年にわたって5千人以上を対象に行われた調査の結果から、5年ごとの睡眠時間の変化と糖尿病の発症の情報を使い、関連を統計解析しました。

 

◆2時間増加で糖尿病が多い

解析から次の結果が得られました。

7時間以上の睡眠を続けていた対照群に比べて、1日あたり2時間以上睡眠時間が長くなることは、[...]糖尿病の発症率増加と関連していた[...](オッズ比1.50、95%信頼区間1.04-2.16)。

全期間にわたって1日7時間以上の睡眠を続けていた人に比べて、研究期間のうちに1日の睡眠時間が2時間以上長くなった人では、糖尿病の発症が多くなっていました

 

この研究の方法では、未知の要因が睡眠時間と糖尿病の両方に影響していた可能性を否定できません。1日2時間も睡眠時間が変わるということは、ほかの生活習慣にもかなりの変化があったことを意味しそうです。睡眠が直接の原因になったかどうかは別に検討しなければわかりませんが、睡眠時間が大きく変わった人にとって、糖尿病を起こしそうな生活習慣が始まっていないか、振り返るきっかけにはなるかもしれません。

なお睡眠と健康の関係についてはほかの研究も以前に紹介しています。興味のある方はあわせてご覧ください。

「8時間以上の睡眠は脳卒中になりやすい」

http://medley.life/news/item/552ca96c6ef458604485ce20

「夜型生活の人は糖尿病になりやすい」

http://medley.life/news/item/5527b421d05b85160132e145

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Change in Sleep Duration and Type 2 Diabetes: The Whitehall II Study.

Diabetes Care. 2015 Jun 11 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26068863]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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