2016.01.29 | ニュース

睡眠時間と肥満の関係は、年齢によって変わる?

5,607人のデータから

from Obesity (Silver Spring, Md.)

睡眠時間と肥満の関係は、年齢によって変わる?の写真

今までの研究から、睡眠時間は肥満などの生活習慣病と関係していることが分かっています。それでは、その関係性にはほかの原因も影響しているのでしょうか?研究チームは年齢に着目し、睡眠時間と肥満との関係について報告しました。

◆5,607人の睡眠時間、体重、年齢データを分析

研究チームは、アメリカで行われた健康や栄養についての大規模調査に回答した人の中から、16歳以上の5,607人のデータを用いました。睡眠時間と年齢は、対象者が自己申告したものを評価し、肥満などの指標になるBMI(体重÷身長の2乗)を算出しました。

 

◆BMIの高さは、睡眠時間の短さと関係していた

データを分析した結果、以下のデータが得られました。

連続的(Pinteraction=0.014)かつ分類上(Pinteraction=0.035)の睡眠時間と年齢には優位な相互作用があった。線形様の関係が、最も若い群の回答者に見られた。そこでは最も高いBMIと睡眠時間の最も短い人、最も低いBMIと睡眠時間の最も長い人との間に関連が見られた。この関係性は、中年ではU字型になり、高齢者では関係性がより少なくなった。

この研究から、若年層では肥満度が高いほど睡眠時間が短いという関係が示されたものの、中年層ではその関係が一貫しなくなり、高齢者層では弱い相関しか示さないということが分かりました。

 

この研究では、年齢だけでなく仕事などの生活環境の違いも肥満度と睡眠時間の関係に影響を与えていた可能性が考えられます。しかし今回の結果は、肥満と睡眠時間の関係性についての今後の研究に繫がるかもしれません。どのようにして関係しているのか、これからの研究に期待しましょう。

執筆者

鈴木あいか

参考文献

Relationship between sleep duration and body mass index depends on age.

Obesity (Silver Spring). 2015 Dec.

[PMID: 26727118]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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