なかなか治らないおねしょにはどんな治療が行われるのか?:夜尿症の薬物療法やアラーム療法について | MEDLEYニュース
2021.09.14 | コラム

なかなか治らないおねしょにはどんな治療が行われるのか?:夜尿症の薬物療法やアラーム療法について

医療機関では薬による治療やアラーム療法という独特な治療が提案されることがあります
なかなか治らないおねしょにはどんな治療が行われるのか?:夜尿症の薬物療法やアラーム療法についての写真
(c)puhimec-stock.adobe.com

前回のコラム」では、家庭でできるおねしょ(夜尿)対策について説明しました。今回の内容は家庭で対策を行ってもなかなか治らない場合の夜尿症の治療についてです。具体的には、薬を使ったり、専用の器具を使ったりします。
*夜尿症とは、5歳を過ぎてもおねしょ(夜尿)が続いている状態のことです

夜尿症の薬物療法について

夜尿症にはデスモプレシンという薬が効果的です。デスモプレシンは人工的に作られた抗利尿ホルモンで、尿の量を減らす働きがあります。寝る前にデスモプレシンを使うと、寝ている間に作られる尿が減るので夜尿症が起こりにくくなります。

 

デスモプレシンの使い方や効果

デスモプレシンには飲むタイプの錠剤と鼻にスプレーするタイプの点鼻剤の2つがあり、使う人の好みに合う方を選べます。薬を飲むのが苦手な子どもには、点鼻剤が適していることも多いです。お医者さんと相談して使いやすいほうを選ぶようにしてください。薬を使うタイミングは就寝する30分から1時間前です。 治療の効果は短期間で現れることがありますが、それでも薬の調整に6週間程度はかかるとみておいたほうがよいです。修学旅行や合宿などの宿泊行事に照準を合わせて治療する場合には、計画的に受診をしてみてください。

 

デスモプレシンの副作用

頻度は多くありませんが、低ナトリウム血症という副作用に注意が必要です。低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が低い状態で、頭痛や倦怠感、吐き気といった症状が現れ、ひどい場合には意識がもうろうとしてきます。このような症状が現れた場合には、デスモプレシンの量を調節する必要があるので、お医者さんに相談してください。

なお、低ナトリウム血症について詳しい説明は「こちらのページ」を参考にしてください。

 

その他の薬について

デスモプレシン以外の薬では、抗コリン薬や三環系抗うつ薬も治療に使われることがあります。しかし、効果が明確ではない部分があるので、次に説明するアラーム療法が優先されます。

 

夜尿症のアラーム療法について

夜間アラーム療法はおねしょを感知する医療機器を使った治療です。水分を感知するセンサーを下着に付けた状態で眠り、下着が尿で濡れると機械がアラームを鳴らし、本人や保護者を起こします。

ポイントは排尿に気付かせるところにありますので、本人が起きないようであれば、保護者が起こしてあげてください。起きて尿がまだ残っているようならば排尿を済ませ、汚れものを片付けたりなどしたら、またすぐに寝てしまって大丈夫です。保護者は眠くて大変かもしれませんが、怒らずに淡々と対応するようにしてください。

アラーム療法を行うことで、就寝中の尿意を感じやすくなります。また、アラームによって尿意を自覚した後、トイレに行くまで我慢できるようになれば、膀胱が少しずつ大きくなり尿を溜めやすくなると考えられています。

有効なアラーム療法ですが、効果が出始めるのにはしばらく時間がかかるので、長い目で治療を進める必要があります。子どものモチベーションをより高めるためにも、成功したら褒める、記録をつけるといったような取り組みもしてみてください

 

今回はなかなか治らない夜尿症に検討される治療について説明しました。薬物療法やアラーム療法の治療効果を最大限に高めるには、家庭での対策も同時に行う必要があります。「夜尿症と家庭でできる対策について」もぜひ参考にしてみてください。

このコラムがおねしょで悩むご家庭の参考になれば幸いです。

 

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。