2018.06.11 | ニュース

赤ちゃんの「赤いあざ」、乳児血管腫に効く薬は?

文献の調査から
from The Cochrane database of systematic reviews
赤ちゃんの「赤いあざ」、乳児血管腫に効く薬は?の写真
(c) Tobilander - Fotolia.com

皮膚の一部が赤く盛り上がって見える乳児血管腫(苺状血管腫)は、乳児の数%に見つかるとも言われ、自然に消えることが多いですが、薬などを使う治療法もあります。治療の効果について、これまでの研究によるデータの調査が行われました。

乳児血管腫に対する治療

コロンビア・スペイン・カナダから集まった研究班が、乳児血管腫に対する治療について、以前に行われた研究から出ている結果を吟味して要約し、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

 

28件の研究で示された各治療の効果

研究班は、文献の調査で見つかった28件の研究を採用しました。

治療として、レーザー治療、β遮断薬(プロプラノロール、チモロールマレイン酸塩)、放射線治療ステロイド薬が試されていました。対象とした子供の年齢は12週から13.4歳まででした。

集めたデータから、治療開始後24週での効果をまとめました。

プロプラノロール1日3mg/kgを飲む治療では、乳児血管腫が消えた割合が偽薬と比べて16.61倍になり、乳児血管腫の大きさは平均して45.9%小さくなっていました。深刻な副作用をはっきりと示す結果はありませんでした。

チモロールマレイン酸塩0.5%ゲルを1日2回塗る治療では、偽薬に比べて赤い部分を減らすというデータがありましたが、そのデータは不確かなものと判定されました。

チモロールマレイン酸塩0.5%の点眼液を患部に1日2回塗る治療とプロプラノロール1.0mg/kgを1日1回飲む治療を比較した研究では、乳児血管腫が50%縮小よりも小さくなった人の割合に違いがないという結果でしたが、そのデータは不確かなものと判定されました。

研究班はこれらの結果をもとに「乳児血管腫に対して現在は経口のプロプラノロールが標準治療であり、我々の調査ではこれを疑う証拠は見つかっていない」と記しています。

 

乳児血管腫に有効な治療とは

乳児血管腫に対する治療の効果についての調査結果を紹介しました。プロプラノロールを飲む治療の効果を示すデータが見つかっていました。日本でも、乳児血管腫の治療を目的としたプロプラノロール製剤として、ヘマンジオル®シロップが使われています。

乳児血管腫に対して、特に治療が必要と思われた場合には、効果を予想して治療法を選ぶために、研究データを参考にすることができます。

執筆者

MEDLEY編集部

参考文献

Interventions for infantile haemangiomas of the skin.

Cochrane Database Syst Rev. 2018 Apr 18.

 

[PMID: 29667726]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事