2017.03.04 | ニュース

アルツハイマー病にビタミンEは効かない?

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

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ビタミンEには抗酸化作用があります。また、認知障害には酸化反応が関係していると考えられています。ではアルツハイマー病の予防や治療にビタミンEの効果はあるのでしょうか。これまでの研究結果の調査が行われました。

ビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のことEの効果について、これまでの研究から出ている結果の調査が行われました。イギリスの研究班が、過去に行われた研究の報告を集める方法で、これまでに見つかった結果をまとめました。

アルツハイマー病または軽度認知障害の治療としてビタミンEの効果を検討した研究を調査対象としました。軽度認知障害は、認知症の手前の状態と考えられています。軽度認知障害がある人の一部は認知症に進行するとされています。

文献の調査により、アルツハイマー病患者について1件、軽度認知障害患者について1件の研究報告が見つかりました。

 

見つかった研究から以下の結果が示されました。

アルツハイマー病の患者について、ビタミンEが[...]認知機能に対して臨床的に重要な影響を与えるという何らの証拠も見出されなかった。

ビタミンEを使用したアルツハイマー病患者は、偽薬を使用した患者に比べて6か月から48か月の間でADCS/ADLIにおける機能低下がより少なかった(平均差3.15、95%信頼区間0.07-6.23、P=0.04、1件の研究、280人、中等度の質の証拠)。

ビタミンEがMCIからアルツハイマー病による認知症と思しい状態への進行の確率に影響するという証拠は見出されなかった(リスク比1.03、95%信頼区間0.79-1.35、P=0.81、1件の研究、516人、中等度の質の証拠)。

ビタミンEによって、アルツハイマー病患者の認知機能に対する効果は見られず軽度認知障害からの進行を減らす効果も見られませんでした

ただし、アルツハイマー病患者がビタミンEを使用したとき、日常生活動作の機能低下が若干少なくなっていました。家族や介護者が見たときの様子で評価するスコアで30点満点中3点ほどの差が見られました。

ビタミンEによる明らかな害は見られませんでした。

 

ビタミンEは認知機能に対する効果が見られないという結果でした。認知症の予防や進行防止という目的では積極的に勧める根拠がないと言えます。

欧州臨床栄養代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のこと学会のガイドライン治療や検査の場面において、医療従事者や患者が、適切な判断や決断を下せるように支援する目的で体系的に作られた文章のことでは、ビタミンEなどのサプリメントに対して、認知症を改善したり予防する効果は確かめられていないことが明記されています(関連記事:認知症のために補うべき栄養素はあるか? )。今回の調査結果もその範囲を出ませんでした。

一方、日常生活動作に対してビタミンEによると思われる若干の差が見られました。高齢者の身体機能を保つためには運動などさまざまな工夫が試されています。ビタミンEを使うことはひとつの手段と考えることができるかもしれません。

ただし、ビタミンEを摂ろうとして食事が偏ってしまうことは避けるべきです。体に必要な栄養素はいろいろなものがあり、バランスのよい食事を続けることが第一です。厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」などを参考にしてください。

http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Vitamin E for Alzheimer's dementia and mild cognitive impairment.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jan 27.

[PMID: 28128435]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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