◆パロキセチンの研究を調査
パロキセチンは体内で作られるセロトニンという物質の作用に影響を与えることで、うつ症状などに効果を表す薬です。うつ症状以外を治療目的にする使い方もあり、ここでは更年期障害に対する効果が着目されています。
ここで紹介する研究は、文献を集める方法により、更年期障害のほてりの症状に対して、これまでの研究でパロキセチンの効果としてどんな結果が出ているかを調べてまとめたものです。
研究班は、研究のデータベースを検索して、1件の論文で複数の試験の結果を報告したものを含め、5件の論文と、その中で6件の試験結果のデータを見つけました。
◆ほてりの回数が少なくなった
見つかったデータの解析から次の結果が得られました。
パロキセチンは4週時点でほてりの頻度を週当たり8.86回の差で(95%信頼区間5.69-12.04、P<0.00001、I2=83%)、12週時点で週当たり7.36回の差で(95%信頼区間4.25-10.46、P<0.00001、I2=62%)有意に減らした。
パロキセチンを使うと、ほてりの症状が出る回数が少なくなると見られました。
更年期障害は多くの女性が通過します。女性ホルモンの効果は以前から知られていますが、副作用もあり、ほかの選択肢があることで、より個人に適したものを選べるかもしれません。
執筆者
Effect and safety of paroxetine for vasomotor symptoms: systematic review and meta-analysis.
BJOG. 2016 Apr 7. [Epub ahead of print]
[PMID: 27062457]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。